ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

京都の米軍基地(38):駐留米軍を守る日本国警察

Xバンドレーダー基地建設反対! 4・20現地集会」(宇川農業会館4月20日午後)を,IWJ-Kyoto1の実況中継で見た(下記は中継画像)。参加者は約400人。

集会での発言は,いずれも正論であり,もっともだが,「内側の人々」(地元住民)にとっては,そうした反対論はいわば「外側の人々」(よそ者)の外からの声であり,それが地元住民の心を内から揺さぶり,強い共感を呼び起こすのは,実際には,かなり難しいであろう。
 [参照]丸山眞男「現代における人間と政治」1961年

これとは対照的に,警察の大量動員,厳戒体制は,一見すぐそれと分かるものであり,地元の人々にリアルな圧倒的な威圧感,恐怖感を与えることに成功したにちがいない。駐留米軍を守るためであれば,日本政府は暴力装置たる「警察」の動員を躊躇しない。お上にたてつくと,警察に睨まれる,お上には抵抗できない,と。「Xバンドレーダー体制」の片鱗が,早くも見え始めたといってよいであろう。

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 ■集会後,デモ行進開始(久僧)/空自基地・米軍用地前

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 ■袖志入口,後方は経ヶ岬/袖志村内

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/04/20 at 19:28

京都の米軍基地(37):丸裸の監視社会

グーグル写真を見てビックリ,また一段と精細になった。こんなものが見られるなら,わざわざ丹後の秘境に行くまでもない。論より証拠――

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 ■空自分屯基地入り口/米軍用地/空自レーダー

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 ■尾和の国道沿い民家/同左,拡大/尾和村内バス停/右壁面,拡大

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 ■袖志の商店と民家/同左,民家前拡大/久僧:共産党・自衛隊・自民党共生ポスター

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 ■中浜民家/同左,拡大/袖志を無断撮影中のグーグル車

これらは,はるかに鮮明なグーグル画像を,素人が無料映像ソフトで縮小したもの。それでも,十分に判別できる。一応,人の顔や文字にはボカシを入れているが,申し訳程度,アリバイつくりにすぎず,誰が,どこで,何をしていたか,丸見え。丸裸に近いといってよい。

たとえば,袖志の女性や中浜の男性。あるいは,尾和の国道178号線沿い民家やバス停付近の民家,久僧の共産党・自衛隊・自民党共生ポスター掲示など。ポスターは見てもらうためだからよいとしても,自宅敷地内の無防備女性や男性を一方的に無断撮影し――その意味では盗撮し――世界にばらまき,永久保存・利用を可能とし,それでもって金儲けをしている。こんなことを,本当に,してもよいのだろうか?

しかし,それはそれとして,いま確認すべきは,一私企業ですら,ここまで自在にプライバシーを暴き,保存・利用できるということ。とすれば,米軍やCIAなど,あるいは自衛隊や公安機関などは,その何倍も強力な住民調査・監視技術を持ち,おそらくすでに何らかの形で利用していると想定せざるをえないであろう。

地元住民や京丹後に出入りするよそ者は,すべてどこかでチェックされ,経歴を照合され,分類・保存され,ひょっとするとケイタイ・スマホ情報も傍受され,監視されている可能性がある。まだどう利用されているかは分からないが,すでに山間部の峠などに,監視カメラがいくつか,さりげなく設置されている。

監視社会の恐ろしさは,実際には自分は監視されていなくても,監視されているかもしれないと思わされるところにある。丹後は,間違いなく万人監視の「Xバンドレーダー体制」に向かうであろう。

 ▼京都の米軍基地(13):「Xバンドレーダー体制」の危険性

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/04/16 at 12:04

京都の米軍基地(36):軍民混在の恐怖

防衛省は4月13日,袖志での説明会において,米軍基地の5月着工,Xバンドレーダーの12月末運用開始の予定を一方的に言い渡した(京都新聞4月14日)。

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 ■第1期工事完成後/第2期工事完成後

地元住民にとって,最大の脅威は,北朝鮮でも中国でもなく,米国軍人・軍属だ。むろん,軍人や軍属個々人が悪いのではない。彼らも,地元住民と同様,本来,よき息子であり,よき父や夫であり,そしてよき市民だ。しかしながら,彼らは米国益のため極東の島国の,英語のまったく通じない辺境地に派兵され,連日,最前線の緊張の中に置かれる。個人として善良で優しい人であればあるほど,この緊張に耐えられず,逸脱行動に追いやられやすい。彼らも同情すべき犠牲者なのだ。

米国の下請け,日本国防衛省の説明によれば,5月から米軍人・軍属が京丹後に派兵され,峰山町内のホテルに駐留する。たぶん,あのホテルであろう。そうなれば,そのホテル周辺はむろんのこと,市内――といっても田舎の小さな町にすぎないが――の商店や飲食店や遊技場でも,丹後の人々は前線派兵の米軍人・軍属と日常的に接触することになる。

繰り返すが,米軍人・軍属は,地元の人々と同様,本来は正直で善良な人々だ。しかし,かつて戦争が米国人を「鬼畜」(大日本帝国プロパガンダ)としたように,僻地前線派兵の緊張が,彼らに異常なストレスを与え,彼らに異常行動をとらせる恐れは多分にある。前線派兵の軍とは,そうしたものだ。

それなのに,京丹後市議会は,あまりに脳天気。補助事業の皮算用で色めき立っている。

大村副市長:「地域振興で再編か、民生かということですが、御存じのように[基地]再編交付金は100%、民生安定事業は5割、平均5割ということですので、丹後町ですから、5割の補助金の裏には過疎債が使えるということですので、非常に有利な財源にはなると思います。ですから、地域として考えるならば、宇川地域、網野町地域に広げるかどうか、よくわかりませんが、民生安定の事業を中心に使われていくほうがいいのかなと。それから、民生安定にいく、なじまないような部分については再編交付金を使っていくと。再編交付金はやはり市全体での利用と言いますか、使用も考えるべきだというふうに思っています。」(基地対策調査特別委員会,2014年2月5日)

丹後市議会は,こんな目先の小利分捕り合戦をしていてよいのか? 地域が米軍最前線基地にされ,最新鋭レーダーを持ち込まれれば,当然,それを守るためのハードとソフトが必要になる。レーダー基地防衛のためのミサイル等の持込,工作船や破壊工作に備えた防衛部隊の強化,そして地域の防諜・治安強化など。

市議会が国家下請け機関なら,それも致し方ない。が,もしそうでないなら,いますべきは地域住民の平和と安全のため,Xバンドレーダー基地受入を根本から再検討し,その撤回を申し入れることではないのか。

[参照]
京丹後市エックスバンドレーダー配備に関する説明会―市長挨拶2013-08-07
京丹後市エックスバンドレーダー配備に関する説明会―経緯2013-08-07
京丹後市エックスバンドレーダー配備に関する説明会-質疑2013-08-07
京丹後米軍基地地元説明会(宇川)防衛省(桝賀氏)2014.04.16
京丹後米軍基地地元説明会(宇川)質問&意見2014.04.16 

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/04/15 at 14:30

シャルマ判事,最高裁長官就任

ダモダル・プラサド・シャルマ(दामोदरप्रसाद शर्मा)判事が4月11日,第22代最高裁長官(सर्बोच्च अदालतको प्रधान न्यायाधिश)に就任した。任期は,停年となる今年10月まで。

シャルマ判事は,憲法会議(संबौधानिक परिषद)では全会一致で長官に推薦されたが,議会の特別聴取委員会では,指導力不足,職権乱用の疑い,コネ人事の疑いなどの理由で反対があり,2/3の多数決による承認となった(Himalayan,1&2 Apr; Republica & Ekantipur, 1 Apr)。略歴は次の通り。

1949 カトマンズに生まれる。現在65歳
1975 郡裁判所判事
1991 上訴裁判所判事
2009 上訴裁判所所長
2005 最高裁判事
2013 最高裁長官代行(3月より)[レグミ長官が在職のまま選挙管理内閣首相となったため]
2014 最高裁長官就任(4月11日)

シャルマ長官の能力は,新聞報道だけではよく分からないが,しかし,任期が10月までとは,あまりにも短すぎる。司法部は保守的であり,年功が慣行となっているそうだが,この激変期,長官選任方法も見直すことが必要ではないだろうか。

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谷川昌幸(C)

    

Written by Tanigawa

2014/04/13 at 19:13

カテゴリー: 司法

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京都の米軍基地(35):片刃の環境影響調査

Xバンドレーダー設置前の環境影響調査は,よくて両刃の剣だ。たしかに,設置前の電磁界強度,騒音,水質などを調査しておけば,設置後,もし問題が起これば,調査結果を根拠に是正を要求できる。しかし,実際には,そんなことは,まずない。原発などと同様,長期的影響などは無視し,受忍限度を高く設定しているからだ。
 ▼電磁界強度調査・水質調査騒音調査

これに対し,調査の政治目的は,はっきりしている。地元要望を聞き,調査をしましたよ,というアリバイつくりだ。官僚制にとって,「法による支配」ないし「手続遵守」は,鉄則だ。が,これは主権者たる人民=住民が厳しい監視をおこたると,たちまち,所定の手続さえ踏めば,それでよい,という官僚主義に転化する。

環境影響調査は,まさしくその官僚主義的「手続遵守」そのものであり,Xバンドレーダー設置のためのアリバイつくりといわざるをえない。

その証拠に,電磁界強度調査は,三菱電機が実施する。三菱系は,米産軍共同体の下請けにして,日本産軍官共同体のドン。その一角を占める日本有数の軍事企業,三菱電機に,公平な調査を期待するのは,あまりにもおめでたい話しだ。

もしかりに住民側が,独自に,研究者や専門家に調査を依頼しようとしても,政府や京都府や京丹後市は,調査費負担はむろんのこと,調査そのものさえ決して許可しないだろう。特にXバンドレーダー設置後は。いうまでもなく,それは「特別防衛秘密」ないし「防衛秘密」であろうし,おそらく何らかの形で「特定秘密」に指定されるであろうからである。

もしそうであるなら,お上の環境影響調査は,両刃にすらなりえない。むしろ,それは,反対運動を切って捨てるための,片刃の剣でしかないのではないか?

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 ■電磁界強度調査(3月19日)三菱電機

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 ■水質調査(3月19日)ユニチカ/騒音調査(2月25日)防衛省

[参照]防衛省→三菱電機144人天下り
水増し請求の背景に 兵器製造で癒着 中距離地対空誘導ミサイルや情報収集衛星(スパイ衛星)など、航空宇宙・防衛事業をめぐって防衛省などへの経費の水増し請求が問題になっている三菱電機への「天下り」が、防衛省からは「陸上幕僚長」はじめ144人にのぼることが明らかになりました。防衛省以外の国家公務員の天下りは3人。軍事産業2位の三菱電機と防衛省との特殊な関係が浮かび上がりました。」(しんぶん赤旗2012年3月19日)

谷川昌幸(C)

中国の広報戦略と戦略なき小国日本

毎日新聞「隣人:日中韓 孤立する日本/7 報道支配、中国外にも」(4月10日)は,刺激的な警世的記事だ。中国政府が,国策として,6千億円(2009年頃)の巨費を投入し,世界世論形成に努力しているというのだ。李長春・政治局常務委員(宣伝担当)は2008年1月,中国中央テレビ(CCTV)で,こう演説した。

「外国語チャンネルの開設を加速し、我々の映像、声をさらに世界各地に波及させよ。国内外の重大事件の報道で、世論の主導権を勝ち取れ」(毎日4月10日)

毎日記事は,オーストラリア,アメリカ,ケニアの事例を,「そこまでやるのか!」とビックリ仰天するほど興味深い実話も交え,紹介している。いかにも中国的で,稚拙とも,乱暴とも言えるが,そこは大国,小さなことは気にしていないようだ。要は,世界世論の米欧支配を打破し,中国の声を広めることが目標なのだ。

ネパールでの「China Daily(中国日報)」宣伝も,この中国政府の世界広報戦略の一環とみるべきであろう。すでに幾度か紹介したが,「ネパリタイムズ」の「中国日報+ランタン無料進呈」キャンペーンは,その率直さに,見るたびにほほえまされるが,戦略的には的確に的を射ている。無料進呈LEDランタンで「中国日報」を読めば,最先端の光により大いに啓蒙(lighten up)されるというわけだ。小さなことを気にせず,大国的な大らかさで,時間をかけ,目的を達成することを目指している。

131214a ■中国のネパール啓蒙作戦(ネパリタイムズ2013年12月13-19日号)

これに対し日本は,ひがみっぽい小国根性丸出し。国土25倍,人口11倍の超大国・中国に対し,経済規模など日本の国力が相対的に低下するのは,必然であり自然なことだ。その宿命を見据えた上で,日本は,量的にではなく質的に,自国の価値を高め,小粒でもピリリと辛い小国としての存在意義を世界に向け発信し,世界社会において「名誉ある地位」(憲法前文)を占める努力をすべきだ。

それなのに,相対的小国化の宿命を直視する勇気を持たず,隣国の発展に嫉妬し,ひがみ,内弁慶になり,「日本を取り戻す」などと空威張りをする。本気で日本を取り戻せば,よくて極東の貧困後進国,悪くすると軍国全体主義国に逆戻りするだけではないか。

今日の「ネパリタイムズ」にも,「China Daily」の宣伝はでている。そこをクリックすると,中国日報ホームページが表示される。その最上段には,ちゃんと,日本批判記事が出ている。日本には,「日本を取り戻す」ためのアナクロ竹槍戦術はあっても,このような大きな世界戦略はない。
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 ■ネパリタイムズ広告⇒China Dailyトップ(4月10日)

140410c ■日本向け広告。戦略的な中印首相握手写真掲載(4月10日)。

中国のネパール進出とアメリカ国益

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/04/10 at 18:36

京都の米軍基地(34):イルカ軍団,丹後半島近海来襲

イルカが,500頭の大群をなし,京丹後市の丹後半島近海を遊弋しているのが目撃された(4月2日付読売ほか)。いうまでもなく,米軍Xバンドレーダー部隊の先遣隊だ。要厳戒! [イルカ500頭回遊(NNN)]

1.経ヶ岬をイルカ聖域に
米欧イルカ人道主義派によれば,イルカは知能が高く,人間の考えや気持ちをよく察知し行動できるそうだ。とすれば,イルカ社会では,ケネディ駐日大使がイルカの権利擁護に尽力し,また丹後半島にXバンドレーダーを設置する計画であることも,すでに知れ渡っているにちがいない。

そこで,イルカたちは考えたのだ。丹後半島近海に行けば,イルカの生存権は守られる。万が一,地元漁民が攻撃を仕掛けてきても,すぐケネディ大使らが非難の声をあげ,イルカ人道派も押しかけ,イルカを守ってくれるはずだ,と。

しかも,丹後半島周辺海域は,ブリなど高級魚の好漁場。イルカのエサとなる魚はたくさんいる――他の魚類はバカだから喰われて当然,生存権はない。思う存分食べ,イルカ仲間を増やし,丹後半島沖をイルカ聖域とすることも夢ではない。

2.イルカの米国益貢献
これは大恩ある米国に報いることにもなる。イルカは大量の魚を食う。しばらくすると丹後半島近海の魚は激減する。そうなれば,漁師たちは漁ができず,廃業に追い込まれる。こうして漁師がいなくなれば,電磁波やら温排水といったXバンドレーダー反対の理由もなくなる。

さらにまた,日本漁業が衰退すれば,日本人の食習慣が肉食中心に変化し,米国産の牛肉や畜産用飼料の対日輸出が増加し,米国益に大きく貢献する。したがって,イルカ人道主義派に保護され,丹後半島近海の魚を食い尽くすことは,米国の大恩に報いることになるのだ。

3.壱岐イルカ事件の教訓
まさかと思われる方は,「壱岐イルカ事件(1980)」を思い出していただきたい。イルカ被害に耐えかねた壱岐漁民が捕獲のためイルカを追い込んでいた網を,イルカ人道主義者の米国人が切断し,数百頭を逃がした。彼は逮捕・起訴されたが,執行猶予が付き,実質的にはイルカ人道主義が勝利した。その後,壱岐ではイルカ捕獲は断念され,水族館で「人道的」に飼育されるようにさえなった。

壱岐で勝利したイルカ軍団は,北上し,今度は丹後半島近海を攻撃目標と定めた(*)。ここで心すべきは,イルカ軍団が丹後漁民を攻撃し始めても,米国政府は絶対に漁民は守らないということ。米国政府は,イルカ人道主義を国益のため利用しており,漁民の味方など端から念頭にないからだ。(* イルカ軍団は,3月下旬には宮津湾内,4月9日には伊根湾内に深く侵入し魚を追っているのが目撃された。京都新聞4月10日)

4.イルカ人道主義と米軍国主義との共犯関係
丹後半島近海にイルカ軍団が布陣し,経ヶ岬に米軍Xバンドレーダー基地ができたら,どうなるか? 

イルカは,ブリなど高級魚を食い散らす。たまらず漁民がイルカ駆除を始めようものなら,たちまちイルカ人道主義者がやってきて,彼らを攻撃する。そして,ケネディ大使だけでなく,おそらく駐留米軍人・軍属らも,何らかの形で漁民攻撃に加勢するだろう。イルカ人道主義は,米軍国主義と共犯関係にあるのだ。

5.アングロサクソン偽善のしたたかさ
ちょっと冷静に考えれば,イルカ人道主義がいかにトンドモナイ偽善であり屁理屈であるかは明白だが,その無茶苦茶,無理難題をまるで「正義」であるかのように筋道を立て,巧妙に世界を丸め込んでしまうのが,西洋,とくにアングロサクソンの凄いところだ。この卓越した偽善能力は,彼ら自身も認めている周知の事実だ。たとえば,バーナード・ショーは,『運命の人』において,ナポレオンに次のように語らせている。

▼BERNARD SHAW, THE MAN OF DESTINY,1898
NAPOLEON. That accounts for it. The English are a nation of shopkeepers. Now I understand why you’ve beaten me.
LADY. Oh, I haven’t beaten you. And I’m not English.
NAPOLEON. Yes, you are――English to the backbone. Listen to me: I will explain the English to you.
LADY (eagerly). Do. [....]
NAPOLEON. No, because the English are a race apart. No Englishman is too low to have scruples: no Englishman is high enough to be free from their tyranny. But every Englishman is born with a certain miraculous power that makes him master of the world. When he wants a thing, he never tells himself that he wants it. He waits patiently until there comes into his mind, no one knows how, a burning conviction that it is his moral and religious duty to conquer those who have got the thing he wants. Then he becomes irresistible. Like the aristocrat, he does what pleases him and grabs what he wants: like the shopkeeper, he pursues his purpose with the industry and steadfastness that come from strong religious conviction and deep sense of moral responsibility. He is never at a loss for an effective moral attitude. As the great champion of freedom and national independence, he conquers and annexes half the world, and calls it Colonization. When he wants a new market for his adulterated Manchester goods, he sends a missionary to teach the natives the gospel of peace. The natives kill the missionary: he flies to arms in defence of Christianity; fights for it; conquers for it; and takes the market as a reward from heaven. In defence of his island shores, he puts a chaplain on board his ship; nails a flag with a cross on it to his top-gallant mast; and sails to the ends of the earth, sinking, burning and destroying all who dispute the empire of the seas with him. He boasts that a slave is free the moment his foot touches British soil; and he sells the children of his poor at six years of age to work under the lash in his factories for sixteen hours a day. He makes two revolutions, and then declares war on our one in the name of law and order. There is nothing so bad or so good that you will not find Englishmen doing it; but you will never find an Englishman in the wrong. He does everything on principle. He fights you on patriotic principles; he robs you on business principles; he enslaves you on imperial principles; he bullies you on manly principles; he supports his king on loyal principles, and cuts off his king’s head on republican principles. His watchword is always duty; and he never forgets that the nation which lets its duty get on the opposite side to its interest is lost.He――

▼近衛文麿による要旨引用(『英米本位の平和を排す』1918)
曾てバーナード・ショウは其「運命と人」の中に於てナポレオンの口を藉りて英国精神を批評せしめて曰く「英国人は自己の欲望を表すに当り道徳的宗教的感情を以てする事に妙を得たり。しかも自己の野心を神聖化して発表したる上は何処迄も其目的を貫徹するの決断力を有す。強盗掠奪を敢てしながらいかなる場合にも道徳的口実を失わず、自由と独立を宣伝しながら殖民地の名の下に天下の半を割いて其利益を壟断しつゝあり」と。ショウの言う所稍奇矯に過ぐと雖、英国殖民史を読む者は此言の少くも半面の真理を穿てるものなることを首肯すべし。

このショーの自国民認識は,歴史的事実に適合しており,正確無比である。さすが,イギリス人!(アイルランド出身だから,なおさらかもしれないが。)これに比べたら,私のイルカ人道主義批判など,大甘,足下にも及ばない。アングロサクソン政治の凄さは,平気で肉を切らせ,結局は,相手の骨を断ち,シャブリ尽くすところにある。これにどう対抗すべきか?

6.偽善には偽善をもって
これは難しい。偽善はケシカランといって偽善との真っ正面からの闘いから降りてしまい,本音の「日本人本位」に逃げ込み,独善に陥り,「日本人の正当なる生存権」のためには戦いも辞さずなどと空威張りし始めたら,負けである。

政治では,建前や偽善は,独善に陥りやすい本音や赤誠よりも大切だ。アングロサクソン型偽善には,それ以上の普遍性をもつように見える建前,それ以上にもっともらしく見える偽善でもって対抗し,世界世論の支持を獲得する以外に勝利する方法はない。

イルカ問題も同じこと。イルカ人道主義が偽善であることは明白だが,これに感情的に反発し,日本特殊論や「日本人本位」に逃げ込み,立てこもってしまっては,丹後半島とその近海は,イルカ軍団と米軍基地に席巻されてしまうだろう。すでに丹後半島には,Xバンドレーダーだけでなく,オスプレーなど,他の米軍最新兵器をも配備する計画があると報道され始めている。

この1月,グアムに行ってきた。広大な米軍基地を背景にイルカ・ウオッチ! 楽しかった。

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 ■ソレダッド砦(スペイン統治時代)/ウマタック湾とサン・ディオニシオ教会(マゼラン上陸・略奪地)。砦からはイルカの群れが湾内にまで入り込んでいるのが見えた。平地,良港は米軍が占領・使用。写真撮影:2014-01-30

谷川昌幸(C)

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