自衛隊のネパール文化宣伝利用
谷川昌幸(C)
自衛隊が,ネパールの自然と文化を宣伝に利用し始めた。陸自ネパール派遣の隠された目的はこれであり,私がもっとも恐れていたことだ。
▼陸自UNMIN報告 (5分36秒)
1.マチャプチャレの搾取
宣伝ビデオの冒頭に出てくるのが,マチャプチャレ。神聖な神の山が,自衛隊の宣伝に利用されている。テロップは次の通り。
世界一高い山があるところ
それは,私の想像をはるかに
超えた魅惑的な景色・・・・
ネパール
豊かな自然の中で
人々が神様と共に暮らす国
2.神仏の搾取
次に出てくるのが,寺院。ヒンドゥーの神々も仏たちも,自衛隊宣伝に利用されている。
3.子供の搾取
そして,自然や神仏以上に問題なのが,子供の利用。子供の無邪気が自衛隊宣伝にさかんに利用されている。子供を「軍事目的」で使用することは禁じられているはずだ。
4.人民軍に学ぶ自衛隊
その一方,摩訶不思議なのが,陸自隊員と人民軍との懇ろなつきあい。どうやら,イデオロギー抜きで,マオイスト兵から実戦経験を学んでいるようだ。さすが神秘の国,ここに来れば,何でも許されてしまう。
5.まじめになりきれぬ人民軍
といっても,自衛隊と人民軍の間には,大きな文化的差異がある。ネパールの畏友からマオイスト・ビデオCD「反撃」と「赤い挙手の礼・共和制をネパールに」を送ってもらい,見ている。
実に面白い。人民軍(女性多し!)の行進やダンスの宣伝ビデオだが,まじめにやろうとすればするほど,どことなくぎこちなくなり,喜劇的となる。人民軍は,本質的に長調であり,陽気なのだ。ネパール・マオイストは,本家中国の先輩のようにはなれない。
6.陰鬱な自衛隊
この正反対が自衛隊。「陸自UNMIN報告」のBGMは,気の滅入りそうな短調(でなければ,短調的な旋律)。映像も,暗くて陰気。帝国陸軍も陰気で,軍歌もたいてい短調だった。よくあれで戦争がやれたものだ。
陸自隊員がマオイスト人民軍から学ぶべきは,この長調,本質的な喜劇性だ。この長調を持ち帰り,自衛隊内に長調菌をばらまけば,自衛隊は統制を失い,内部から崩壊するだろう。
7.サイとワニには手を出さないで!
自衛隊は,すでにヒマラヤと寺院(神仏)と子供を宣伝に利用した。これだけでも,思わず,「自衛隊万歳!」と叫びそうになった。
もし,自衛隊宣伝にサイやワニまで動員されたら,もうメロメロ,きっと,「陸自6人などとケチくさいことをいうな」,「一個連隊を出せ」,「日の丸戦車を空輸せよ」と叫んでしまうだろう。
どうか,サイやワニにまでは手を出さないでいただきたい。