ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

国王隠棲とガイジャトラ漫画の低調

谷川昌幸(C)
ガイジャトラ(牛祭り)漫画が低調,面白くない。以前なら,王族や有力政治家を徹底的に皮肉った,低俗,悪趣味,毒山盛りのガイジャトラ紙誌が街にあふれていたのに,今年はほとんど見かけない。なぜは?

おそらく国王がバラジュの森に隠棲し,皮肉る権威の総本山がいなくなったからだろう。民主化万歳といいたいところだが,そうともいえない。

このまま共和制になれば,政治家が国家元首になり,権威となる。その権威と権力を合わせ持つ政治家元首が,国王のようにガイジャトラ漫画の猛毒攻撃に耐えられるか?

民衆の人気に依存する政治家の場合,一般にそのような低俗,悪趣味の猛毒攻撃には耐えられず,たいてい弾圧を始める。ネパールの作家,出版社は,早くもそれを察知し,自己規制を始めたのではないか? めでたいような,めでたくないような。

写真(上):ガイジャトラ特集雑誌の表紙。ギリジャ首相が国王、プラチャンダ議長が王妃に擬されている。意味深。
写真(下):ガイジャトラ漫画の一部
 

Written by Tanigawa

2007/09/02 @ 16:50

カテゴリー: 国王, 文化, 民主主義

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