ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

UNMINは国王代替物となるか?

谷川昌幸(C)
UNMINの期限は2008年1月まで。この期限満了をもってUNMINは撤退した方がよいかもしれない。
 
ネパリタイムズ(#371)のシディ・スベディ「不毛な中立:過剰な消極性がUNMINへの信頼を損なう」によれば,UNMINの町中での存在感は圧倒的だ。カトマンズ最高のビルを事務所にし,多数の車,ヘリ,航空機をバンダ,燃料不足に関係なく使いまくっている。UNMINは他に並ぶものなき強大な権力を持っているように見える。
 
ところが,スベディ氏によると,それは見てくれだけで,実際にはUNMINは「無能」で「幻滅」だそうだ。莫大な資材を持ち込みながら,和平仲介者にしかすぎず,「厳正中立」を盾に,難しいことは何もしない。
 
これは「ニセ中立性」だ,とスベディ氏は怒る。そして,どこかの政党(もちろんマオイスト)が和平を妨害するのなら,そのケシカラン政党に圧力をかけるべきだ,つまり,マオイストの比例制要求や共和制宣言要求を押さえ込むことが「UNMINの責任」だ,という。もしそれができないのなら,「UNMINはますます無用なものになるだろう」。
 
スベディ氏の怒りはよく分かるが,これはお門違いだ。決定し実行するのは,あくまでもネパールの人々であり,UNMINはその支援をするにすぎない。NCやUMLではマオイストを押さえきれないので,代わりにUNMINがやってください,というのは,責任逃れの虫のよい要求だ。UNMINはそんな面倒まで見きれない。
 
ネパールには,立ち上がったpeopleがいるではないか。世界中を感動させたあのpeople powerが決め,実行するのが筋だ。その気がないのなら,自己責任を引き受ける気がないのなら,UNMINは,便利な国王代替物とされる前に,さっさと撤退すべきだろう。そして,2008年3月末が期限の日本陸軍の6兵士も,「無用」だそうだから,期限をまつまでもなく,UNMINと一緒に撤退すべき事は言うまでもない。

Written by Tanigawa

2007/10/21 @ 21:25

カテゴリー: 平和

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