ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

「統一ネパール共産党・マオイスト」誕生

谷川昌幸(C)
 
ネパール共産党・マオイスト(CPN-M)とネパール共産党統一センター・マサルが,1月13日,統一し,「統一ネパール共産党・マオイスト」となった。うろ覚えだが,もともとMashalとMasalであり,「h」の有無だけだから,イデオロギー的には大差ない(間違いであればあとで訂正します)。
 
1.マオイスト政権の死守
この統一の目的は,政権死守。統一共産党(CPN-UML)や他の政党が政府与党から離脱しても,マオイスト政権を維持していくための布石である。
 
新生「統一マオイスト」のプラチャンダ議長は,その統一の目的を,「帝国主義」からの国民(民族)主権の防衛と宣言した。つまり,マオイスト政府に反対する者はすべて「帝国主義者」か「その手先」とされ,「人民」ないし「民族」の名で弾圧されることになる。
 
2.「プラチャンダの道」から人民独裁へ
「統一マオイスト」は,党綱領から「プラチャンダの道」を外し,「人民民主主義(人民独裁)」をより明確化する。
 
新党のナラヤン・カジ・シュレスタ中央委員は,帝国主義「Big Brother」の介入は許さないと宣言し,人民共和制を「街頭,政府,議会」を通して実現していく,と明言した。「街頭」が第一であることに注目!
 
3.実力闘争で政権死守
プラチャンダ議長も,クラマンチでの統一マオイスト結成大会(1/13)で,マオイスト政府を倒そうとする動きがあれば,「人民叛乱」でたたきつぶす,と宣言した。
 
「マオイスト政府は,過去の政府[90年代のブルジョアがらくた政府]の失敗を繰り返しはしない。もし政府を倒すなら,わが党は直ちに人民叛乱を展開し,権力を掌握する。・・・・世界の何者もわれらを阻止しえない。」(KOL, Jan.13)
 
4.プラチャンダ帽の大波
いま巷では,黒色のプラチャンダ帽(トピー)が流行っているという。われらが英雄プラチャンダ首相にあやかろうと,ミーハーも実利派もプラチャンダ帽を買い求め,着用し始めたようだ。
 
しかし,「黒」は,すべての色を吸収してしまう。アナーキーであり,逆転して,ブラック・ホールともなる。
  「幾百の花からなる我ら」(国歌)
プラチャンダ帽は,本当に,この国歌=国家理念を象徴するのだろうか? あれほど百花斉放だった連邦制の話を,最近はとんと聞かないが,いったいどうなったのだろう? 
 
停電で真っ暗のネパールは,暗闇に紛れ,黒色人民共和国に向かうのだろうか?
 
* Kathmandu Post, Jan.12-13; nepalnews.com, Jan.12-13.

Written by Tanigawa

2009/01/14 @ 12:49

カテゴリー: マオイスト