ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

プラチャンダ首相,辞任

谷川昌幸(C)
プラチャンダ首相が,辞任した。カトマンズのいくつかの地域(大統領官邸付近など)が,厳重警戒区域に指定されたようだ。青年がラーニポカリで警官隊に殴られている写真も出ている。くれぐれも用心していただきたい。
 
ヤダブ大統領は,大統領のカトワル統幕長留任命令を,あくまでも合憲と強硬に主張している。大統領が強気なのは,一つには,首相は制憲議会の過半数により不信任決議できるのに対し,大統領は2/3の多数でなければ解任できないからだ。 この点についても,昨年来,問題があると指摘してきた。
 
ヤダブ大統領は,その気になれば,かなり頑張れる。それがネパールの安定にとって好ましいかどうかは,今のところ分からない。
 
いずれにせよ,問題は人民解放軍の処遇にある。たとえカトワル統幕長が留任するにせよ,人民解放軍2万人弱の駐屯地収容はもはや限界だろう。若い男女が,劣悪きわまりない駐屯地で,未来への展望もなく「軟禁」状態にある。
 
そろそろ雨期にはいる。雨期になれば,高温多湿で衛生環境は極度に悪化する。蚊も出ればヒルも蛇も出る。これ以上たえられるはずがない。人道的にも問題だ。
 
もしどうしても国軍統合ができないのであれば,国土建設隊か何かに編成するか,あるいは国策工場でも建設し雇用するかして,社会復帰を急ぐべきだ。日本は,陸自の海外活動ネパール演習などやめて,人民解放軍兵士の社会復帰プログラムの策定,実施に努力を傾注すべきだ。
 
マオイストも,人民解放軍2万人弱の青年男女のことを本当に考えているなら,彼らの処遇についてもっともっと柔軟であるべきだろう。
 

Written by Tanigawa

2009/05/04 @ 20:02

カテゴリー: 政治