ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

革新の韓国・ネパールと立ち枯れの日本

谷川昌幸(C)
JAL倒産に続き,今度は「西武有楽町店」の閉店が決まった。日本国債の格付け(S&P)引き下げも発表された。かつてのドルのように,円が1/2,1/3に暴落する日も近い。円を金に替え庭に埋めておこう。
 
日本沈没の原因の一つは,制度の立ち枯れ現象だ。世界のグローバル化・多民族化に制度が不適合となっているのに,日本社会にはそれを変えるだけの意欲も力もない。たとえば,今日の朝日新聞に外国人参政権の記事が出ている。
 
 「外国人参政権」朝日新聞1/27
 
日本の制度的立ち後れは一目瞭然だ。韓国は日本より民族的同質性(homogeneity)が高く,かつては日本以上に排外的であったが,グローバル化の本質をいち早く見抜き,大胆に制度改革し,先述のように外国人雇用許可制に転換し,「不法滞在者」の合法化を断行した。そして,この表のように,外国人地方選挙権も2005年に実現した。
 
ネパールでも,制憲議会において,二重国籍,クオータ制,連邦制などが議論され,少なくとも制度論そのものは,日本よりもはるかに革新的だ(実践は別)。
 
日本社会の均質性は,明治以降の富国強兵政策により人為的強制的に創り出されたものである。しかし,強兵政策は大東亜戦争惨敗で挫折し,そして今度は富国政策がグローバル化により破綻の瀬戸際にある。
 
敬愛するイタリアのように,たとえ国家が破産状態になっても,国民個人は優雅に暮らし続けるというような成熟した市民社会が実現できるなら,それにこしたことはない。しかし,市民社会の歴史の浅い日本には,それはおそらく無理であろう。
 
とすれば,日本はいまや韓国やネパールの革新的制度改革からこそ学ぶべき秋だ。むろん,韓国,特にネパールの制度改革がどの程度成功するか,それはわからない。連邦制にしても,ネパールの現状では,実現は無理ではないかと思う(形式的連邦制なら可能だろうが)。しかし,少なくともネパールにおける制度改革論議そのものは,日本のそれよりもはるかに革新的であり,断然面白い。
 
日本は,そうした新しい議論に目を向け,グローバル化時代に適応するための制度改革を進めないと,根ぐされし,立ち枯れ,極東の閉鎖的後進国に落ちぶれてしまうだろう。

Written by Tanigawa

2010/01/27 @ 23:54

カテゴリー: 民主主義

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