自殺急増のネパール女性
谷川昌幸(C)
ネパール女性の自殺が急増している。Indu Nepal (Nepali Times, #489)によれば,15~49歳女性の死因の16%が自殺。1998年は10%だったので,急増だ。2007~2008年の1年間では,40%も増加した。
自殺の実数が増えたのか,隠されていた自殺が表面化してきた結果なのか? それはよくわからないが,女性の死の16%が自殺とは,痛ましいことだ。もし仮に自殺の実数が急増しているとすれば,それはおそらく社会の激変のしわ寄せが女性に集中しているからだろう。
しかし,自殺でも,ネパールはまだまだ「発展途上国」だ。最先進国日本では,自殺は女性死因の1,2位。それも半端な数字ではない。
総死亡数に対する自殺の割合(厚労省「人口動態調査」2008)
15~34歳女性: 死因1位 最多20~24歳49.0%
35~49歳女性: 死因2位 最多35~39歳23.7%
「近代化」「経済成長」が人の幸福になるか,疑わしい数字だ。総死亡数の49%(20~24歳女性)もが自殺の日本! ネパールもそこに向け「進歩」していくのだろうか?
自殺率と他殺率(ネパール/日本,2002)