ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

研修実習生,長崎でも提訴

谷川昌幸(C)
外国人元研修実習生5人が15日,国際研修機構(JITCO)などを相手取り,損害賠償を求める訴えを長崎地裁に提訴した。
 
朝日新聞記事(2/16)によれば,5人の中国人研修実習生は次のような扱いを受けていた。
  ・雇用主: 長崎県内の縫製会社
  ・残業: 月190時間以上,時給300-400円
  ・旅券・通帳: 雇用主側が管理,賃金は強制貯金
  ・労働: 長時間の立ち仕事,トイレ時間計測
 
この種の裁判はすでに21件も起こされており,先述の熊本地裁判決では,直接雇用主だけでなく受入機関にも損害賠償が認められた。今回の裁判では,JITCOの不法行為までも認められるかどうかが注目される。
 
それにしても,こんな制度は露骨な外国人差別であり,人権侵害である。派手な宣伝を出しているネパール人労働者仲介業者によれば――
  ・研修生(1年目) 給与  月5万円
  ・実習生(2-3年目) 給与  最低賃金 (長崎の場合629円/時間)
 
そして,ネパール人研修生は――
  ・年令18歳から35歳までの若くて健康な男女
  ・仏教徒が多い
  ・勤勉
  ・出稼ぎ経験が多い
  ・ネパールでの管理体制が徹底しているので、失踪など事件を起こしにくい
 
いまどき月給5万円で働き盛りの青年を農業や工場に雇用できるなんて,夢のようだ。それすら,光熱費とか何とか理由をつけてピンハネできる。しかも,送り出し国で借金漬けにしてあるので,研修実習生は逃げ出すこともできない。
 
そんな制度により,いよいよネパールから大量の労働者が日本にやってくる。日ネ友好の真価が試されるときだ。
 
(参考) 
極貧にあえぐ外国人研修生を食い物に=財団法人など公的機関のみ丸儲け―日本
 
2009年5月20日、日本の華字紙・日本新華僑報は陳鴻斌(チェン・ホンビン)氏の署名記事「中国人以外の在日外国人研修生」を掲載した。・・・・
 
企業は直接研修生を受け入れることはできず、財団法人国際研修協力機構(JITCO)を通じて手続きを行う必要があるが、実際のところ同機構は一種の仲介業者であり、一人当たり月に3~5万円の手数料を取っている。研修生の月給が6~7万円程度と安く、社会保険の必要もないことから、安価な労働力として使われているのが実態だ。・・・・
 
外国人研修生は給料が安いのみならず、出国するにあたり多額の費用を必要としている。・・・・その費用の多くは銀行からの借金であり、3年間の研修期間のうち1年間分の給与は返済にあてられるという。・・・・
 
こうした研修生の苦しみの上に成り立っているのが仲介機関だと同記事は指摘する。JITCOの管理費収入は16億円に達する。理事7人のうち6人が官僚の天下りでその年収は3700万円から5000万円。 (「レコードチャイナ」 翻訳・編集/KT)

Written by Tanigawa

2010/02/16 @ 14:18

カテゴリー: 経済