ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

治安コスト:厳戒デリー地下鉄

谷川昌幸(C)
インドの経済発展は目覚ましいが、その一方、この国のコミュナル紛争は深刻で、そのために負担せざるを得ない治安コストは想像を絶するものがある。
 
驚いたのは、地下鉄で空港とまったく同じセキュリティ・チェックを実施していること。乗車券(8ルピーから)を買い、それを持って男女別に身体検査を受け、荷物を透視装置に通す。飛行機に乗るときとまったく同じだ。これを地下鉄の全駅で、全乗客に対して実施している。
 
駅周辺や構内には小銃を構えた兵士が相当数配備され、駅構内には土嚢さえ積んで警戒している。大変な治安コストだ。
 
この地下鉄は、日本の開発援助で建設されている。宣伝下手の日本なので援助看板を見たのは終着駅Central Secretariat構内だけ(他にもあるだろうが)。車両も軌道も施工がどの国のどの企業かはわからないが、乗り心地は日本の最新地下鉄と何ら変わりはない。快適だ。
 
乗車マナーもそれほど悪くない。10数年前の大阪より、はるかに上品だ。インド史には疎いが、英帝国が早くに鉄道網を建設したので、キューを守る英国紳士の道徳もある社会層以上の人々には体得されており、それが庶民にも及び始めたのかもしれない。特に都心のラジブ・チョーク駅はマナーが良く、キチンと長い列を作って列車をまち、整列乗車している。
 
近代的システムには比較的早く人々は慣れ親しむ。ダメなのは、お役所。ネルー大学を見て回ったが、事務室はネパールでもおなじみの乱雑さ。これでよく学校事務がやれるなぁ、と感心したものだ。上部構造は下部構造の変化になかなかついていけないらしい。
 
 日本開発援助の図解説明板(Central Secretariat St.)
 
 日本開発援助マーク(同上)
 
 高架駅と駅ビル。日本の駅前とよく似ている。しかし、この写真左下枠外のところでは兵士が小銃を構え駅を警戒していた。駅は撮影禁止かもしれないので、遠方から兵士も入らないように撮影。
 
 
 
 

Written by Tanigawa

2010/03/12 @ 00:48

カテゴリー: 社会

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