ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

グローバル就職戦線で敗退する日本人学生

谷川昌幸(C)
ネパールのネット新聞では,アクセス解析型あるいは記事連動型の求人広告が増えてきた。
 
2010.7.29
 
たとえば,この「日本」と関連づけられた求人広告を見ると,宣伝通り日本からの求人が1万件近くもある。多いのはIT,技術,事務,営業など。ちなみにITの業務SEをみると,日本企業,在日外国企業が多数求人を出している。決してヤラセではない。
 
日本語能力は,「ネイティブ・レベル」が多いが,「タタ日本」などは検定2級でよい。検定2級だと,少し練習すれば,簡単に取得できる。
 
一方,日本人大学生の就職内定率は,実際には,おそらく50-60%であろう。次から次へと,数十社受けても合格しない。見ていて本当に気の毒になる。氷河期そのものだ。
 
主な理由は,日本経済の衰退,日本企業の海外移転であろうが,このグローバル求人広告を見ると,どうもそれだけではないようだ。日本人学生は,ネパール人,インド人,韓国人など,優秀な外国人求職者との競争に負け始めているのではないか?
 
グローバル化の進行はもはや避けられない。国内社会と同様,グローバル社会でも,人種,民族,文化,宗教,性などによる差別は認められない。グローバル資本主義が,地域社会を解体し,自由・平等・独立の労働者からなるグローバル労働市場を創り出した。万国の労働者はグローバルなレベルで経済外的強制から解放されつつある。
 
 さてそこで,万国の労働者が団結してグローバル資本との最後の決戦に向かうのかどうか? 夢物語のようだが,グローバル経済危機の深化を見ていると,必ずしもそうでもないような気もする。

Written by Tanigawa

2010/07/29 @ 10:46

カテゴリー: 経済