ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

Sangam Instituteで講演

谷川昌幸(C) 

9月2日午後、最近売り出し中のサンガム研究所(Sangam Institute)で講演をした。中心は7月11日の参議院選挙。なぜ民主党は負けたのか、今後の日本政治はどうなるかなど、ネパール政治と比較しつつ、話をした。

 

出席者は約30人。元駐印大使、王政時代の元大臣、TU教授など、そうそうたるメンバー。彼らを前に、現代日本の社会的不安や経済不況、それを背景とする政治的混乱など、いつもの調子で日本を批判し、多文化社会ネパールの経験のもつ21世紀的意義を大いに評価した。ネパール批判は一切なし。

 

質問が山ほど出て答えきれなかったが、そこそこ好評だったのではないか?

 

それにしても、サンガム研究所はリッチだ。ピカピカの豪華な事務室・研究室に最新マックをずらりと揃え、集会室には超大型ディスプレイ。プロジェクターではなく、この最新システムを使用し、講演をした。

 

ネパールではどのような組織・機関であれ、まちがいなく外国あるいは政党・党派との関係がある。NC系、UML系、マオイスト系、王党派系、インド系、ドイツ系、そしてCIA系、RAW系など。そして、その組織・機関の人と付き合えば、その系統の人とみなされるようになっていく。

 

これは日本でも同じで、高い報酬や印税につられ日本の某宗教団体系や隣国の某団体系で講演や執筆をすると、それ系の人間としてさんざん利用される。私のような無名教師にはたいした利用価値はないが、芸能人や著名学者はよく狙われ、アレアレと思わされることがよくある。

 

では、サンガム研究所は、どのような機関なのだろうか? 昨年、ソルティホテルでカマル・タパ氏を招いてセミナーを開いていたので(私も一般参加)、王党派系かなと思いつつも、それ以上は分からないまま、頼まれ、話をしに行った。

 

雰囲気ではNC系でもUML系でもなく、もちろんマオイスト系でもない。やはり王党派系なのかな?、という感じだった。

 

ひょっとすると、CIAなのかもしれないが、これは分からない。そんな尻尾を出すようでは、秘密機関失格なのだ。(キリスト教系とのウワサもある。)

 

いずれにせよ、ネパールでは、何系機関かを詮索していてはキリがない。こちらのセミナーでは、どの系統の機関の主催であれ、たいてい各党、各派の知識人が入り混じって喧々諤々やっている。身内を集めがちな日本のセミナーや会議よりは、よほど大人だ。

 

私は、もともとUMLの友人が多いので、当初はUML系とみられていた。その後、人民戦争がはじまると「マオイストだ」とうわさされ、日本の某秘密機関にマークされていたらしい。そして、今後は、王党派らしい有名機関の本丸で講演をしたので、王党派とみられることになるだろう。

 

NC天下で「UML系」とみられ、マオイスト=テロリストの時代に「マオイスト系」とみられ、そして共和制大合唱のいま「王党派系」とみられる。

 

因果なことだが、裏街道を行くのがわれわれの商売。仕方あるまい。
 
講演中の私

Written by Tanigawa

2010/09/03 @ 15:21

カテゴリー: 文化