ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

首相選挙,16回目も失敗: 大統領委任統治へ?

11月4日,16回目の首相選挙が行われたが,唯一の立候補者,われらがポウデル氏(コングレス党)は過半数にはるかに及ばず,またしても選出されなかった。次回は,ティハール後の11月17日。

■ポウデル候補:賛成82,反対2,白票17。出席101,制憲議会定員601。

大統領統治の提案:ネパール首相

この16回目の首相選挙失敗を受け,マダブクマール・ネパール首相が,爆弾発言をした。eKantipur(Nov4)によれば,もしマオイストやUMLがポウデル候補を支持しないなら,国家統治権を大統領に委ねる,といったという。Nepalnews.com(Nov4)では,もし予算が通らなければ,統治権を大統領に引き渡し辞任する,といったそうだ。いずれにせよ,これはネパール首相の脅しであり,このままではそうなる可能性が高い。

そもそも制憲議会は回を追うごとに出席者が減少し,今回はわずか101人,全議員の17%にしかすぎない。定足数の規定はないのだろうか? こんな数字では,制憲議会は正統性をほぼ失ってしまっている。

この状況では,ネパール首相が言うように,大統領統治に移行した方がよい。私は以前から大統領委任独裁の必要性を強調してきた。現在のネパールには,先進諸国御用学者好みの民主主義は,百害あって一利なし。やめた方がよい。

制憲議会は,首相に先を越される前に,民主主義を一時棚上げし,大統領への独裁権限の委任を決議すべきだ。人民のための大統領委任独裁である。

老獪ネパール首相か大統領委任独裁か
首相権限カットの思い違い
大統領統治へ
 
ネパール首相の大統領統治発言を批判するデウバ氏 / その横の米政府民主主義宣伝(nepalnews.com, Nov4)

谷川昌幸(C)

 

Written by Tanigawa

2010/11/04 @ 22:19