ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

PLA無条件引き渡し拒否,UNMIN代表

ランドグレンUNMIN代表が1月6日,政府とマオイストの合意が成立しなければ,停戦監視関係資料・武器弾薬・施設を政府に引き渡すことはしない,と宣言した。

ネパール政府は12月31日,UNMINは「特別委員会」(ネパール政府)に一切合切引き渡し,さっさと出ていけ,といった趣旨の書簡を国連に提出していた。ランドグレン代表発言は,これへの反論であり,UNMINは人民解放軍(PLA)を政府(UML,NC)に無条件引き渡しはしない,と明言したわけだ。

ランドグレン代表は,ネパール政府国連宛書簡について,「この書簡が特別委員会での合意を反映しておらず,暫定憲法からも大きく逸脱するものであることは明白である」と政府を激しく非難し,そして「UNMINは合意に基づく後継メカニズムを全面的に支援する用意がある」と約束している。

さらに,こうも語っている。ネパールには,マオイスト人民蜂起のおそれに加え,「副大統領が最近求めたような大統領統治のおそれや,国軍クーデターのおそれもあった。そうなれば,平和とネパールの虚弱民主主義は危機に陥っていたであろう。」

まるでマオイスト応援団のような感じがする。そうしなければ,いまの停戦が崩壊するからであろうが,ここにもUNMIN(国連)の立場の難しさがよく現れている。

これはUNMIN評価にかかわることでもある。ランドグレン代表は「UNMINは4年の任務を終了しネパールを去るが,その活動は国連の誇りというべきであろう」と自画自賛している。たしかに,国連・UNMINが人民戦争停戦実現に果たした役割は大きく,これは高く評価されるべきだが,その一方,この段階での撤退に追い込まれたことは,停戦後平和構築には失敗したと見ざるを得ないだろう。

安保理では,ネパール政府のギャンチャンドラ・アチャルヤ代表も,UNMINの貢献を讃えた。が,その一方,ネパール政府はUNMINの任務を「特別委員会」に引き継がせる,ときちんと釘を刺している。UNMINは不要だ,と安保理で明言したわけだ。

こうなっては,UNMIN存続はもはや無理であろう。国連はUNMINの後始末をどうつけるか? これは難しい。

* “No arms Handover Sans Accord: Landgren,” Republica, 6 Jan 2011

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/01/07 @ 12:37