ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

キリスト教会,「宗教省」設置要求

ネパール・キリスト教連合(UCAN)が2月4日,政府に対し,非ヒンドゥー諸宗教の権利実現のため「宗教省」を設置することを求める声明を出した(ekantipur, Feb6)。

先述のように,パシュパティ地区開発トラスト(PADT)がパシュパティの森への非ヒンドゥーの埋葬を拒否したため,埋葬できなくなったキリスト教徒や非ヒンドゥー諸民族が,政府に対し,代替墓地を保障するよう要求し始めた。UCANの「宗教省」設置要求は,直接的にはこの墓地問題が契機であるようだ。

たしかに墓(死)は誰にとっても深刻な問題だ。何とか,墓(死)を政治問題化せず,穏便に解決できないものだろうか?

私にはネパール・キリスト教会の事情はよく分からないが,通りすがりに見た教会やキリスト教系諸施設のなかには,かなり広い敷地をもつものがいくつもあった。PADTが埋葬を受け入れるかしばらく黙認してくれればそれでよいが,もしそうでない場合は,そうした教会や教会系諸施設の敷地にとりあえず信者を埋葬し,時間をかけて適切な墓地を自分たちで工面するということは出来ないのだろうか? それとも,パシュパティの森に埋葬されるような信者は受け入れられない何らかの理由があるのだろうか? 微妙な問題であり,そこの所は私には分からない。

いずれにせよ,宗教とくに「死」を政治問題化することは危険である。何とか知恵を出し合い,非政治的な方法で解決を見いだしてほしいと願っている。

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谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/02/07 @ 14:20

カテゴリー: 宗教, 憲法, 人権

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