ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

Archive for 8月 2011

赤と桃色のネパール

マオイスト政権の赤色ネパールは,また「女」大好きの桃色ネパールでもある。「ネパール共産党-毛沢東派」や「ネパール共産党-統一マルクス・レーニン主義派」が街頭やキャンパスを赤旗で埋め尽くせば,資本主義は,負けてはならじと,半裸女性を繰り出し,メディアや催事場をピンクに染め上げる。赤か桃色か,面白い国だ。
マオイスト・メーデー(eKantipur)

先日,ネパールは,マオイストのバタライ副議長を首相に選出し,国政を赤化した。これに対し,資本主義は「ミスネパール」を押し立て,ピンクの泡で共産主義を包み込み,取り込もうとする。

ミスコンテスト(ミスコン)が,女性の商品化であり,ケシカランものであることは,先進資本主義国ではもはや常識となっている。資本主義は,この先進諸国では使い古し役立たずとなったピンク兵器を,後発途上国ネパールに輸出し,赤色革命と戦わせようとしている。途上国に旧式戦車やミサイルを売りつけ,代理戦争をさせるのと同じ戦略。資本主義はなかなかしたたかだ。
中央がジョシさん(Republica, Aug31)

「ミスネパール2011」は,8月30日,カトマンズの「将校クラブ」で賑々しく開催され,ジョシ女史がめでたくネパールNo1美女の栄冠を獲得,いまは没落した資本主義本家,大英帝国の帝都ロンドンで開催される「ミスワールド」大会に出席することになった。

「ミスネパール」の正式名称は「ラックス・ミスネパール」であり,スポンサーは「女」をメシのタネとする世界企業ユニリーバ。しかも「ネパール・ユニリーバ」はインド企業の子会社だ。つまり――

ユニリーバ本社(英蘭帝国主義)→インド系列企業(印大国主義)→ネパール・ユニリーバ(半植民地的買弁資本主義)→ネパール女性

という,国際資本による途上国女性搾取構造になっているわけだ。
昨年度ミスネパール(ミスネパールHP)

ネパール・マオイストは,なぜ怒らないのだ! 政権を奪取し,世界最高峰エベレストに赤旗を立て,世界革命を先導すると,バブラム・バタライ同志は繰り返し高らかに宣言してきたではないか。

マオイスト人民解放軍は,女性解放の世界モデル。女性兵士が40%を占め,男性兵士と同等以上に勇敢に戦い,半封建的・半植民地的旧体制をみごと打倒した。女性なくしてマオイストはなく,人民戦争勝利はなかった。そのマオイスト女性兵士たちは,「女」を売り物とする「ミスコン」のために解放戦争を戦ってきたのか!

ネパール・マオイストは,「ミスコン」などといった中古武器で懐柔されるほど柔ではないはずだ。

マオイスト女性のトップ・リーダーは,いうまでもなくヒシラ・ヤミ同志。そう,バラタイ首相の妻だ。

ヤミ同志は,かつて「ミスコン」粉砕の急先鋒だったはずだ。それなのに,革命に勝利し首相閣下夫人に収まり,ラックスを使い始めたら,ピンクのバブルに包まれ、うっとり夢見心地となり,「やっぱり,女はラックスね」ということになってしまったのだろうか?

ヒシラ・ヤミ同志よ,夫バブラム・バタライ同志とともに,いまこそ「ミスネパール」粉砕に立ち上がるべき秋ではないのか!

■2010/08/09 ミスコンに籠絡されたマオイスト
■2008/02/19 エベレスト山頂の赤旗
■2011/05/03 エベレストに赤旗,プラチャンダ議長ご令息

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/08/31 at 11:48

カテゴリー: マオイスト, 文化, 人権

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高貴マオイスト首相と猥雑資本主義とエゴ印中

1.国産公用車採用の政治的センス
バタライ首相は,やはり繊細なセンスを持っている。ネパール各紙が賞賛しているように,就任早々,首相公用車にネパール国産のムスタン・ジープを採用したのだ。

ムスタン車にはエアコンも電動窓もない。価格は120~200万ルピー。日欧高級外車だと1000万ルピーだと言うから,はるかに安い。しかも新車ではなく,内務省公用車だったものだ。(これは暫定で,首相公用ムスタン車は別に調達されるらしい。)

貧困な労働者・農民の代表には,高級外車よりも国産ジープがよく似合う。さすがインテリ政治家バタライ首相,人民の心情の機微をよく心得ている。このムスタン車で制憲議会に乗り付ければ,ピカピカ高級外車にふんぞり返って乗ってくる他の大臣や他党有力者たちは,面目を失うにちがいない。

特にバタライ首相にお願いしたいのは,ムスタン車で,制憲議会のお隣や国内各所にある国連関連施設やNGO事務所を足繁く訪問すること。国連諸機関や少なからぬNGOが,ピカピカの高級外車を乗り回し,いたるところで人民の顰蹙を買っている。外人観光客の1人にすぎない私ですら,庶民を蹴散らし我が物顔に走り回る国連やNGOのピカピカ四駆に怒り心頭に発し,石でも投げつけてやろうと思ったほどだ。

もっとも,私個人としては,首相になったとたん豪華巨大ベッドを搬入させたプラチャンダ議長,UNMINに人民解放軍3万とふっかけ認めさせた,凄いだろう,と自慢したプラチャンダ議長の方が好きだが。

2.矮小猥雑な資本主義
この高貴マオイスト首相に対し,資本主義はなんたる矮小,猥雑なことか! この写真をご覧いただきたい。愛国マオイスト首相の国産ムスタン車の下に,資本主義はエロっぽい下着広告を出している。

もちろん,アクセス連動広告で,ネパールだけでなくインドでもどこでも,日本からアクセスすると、この種の広告が出る。また,下着広告がイケナイとか,色事はケシカランというわけではない。要はTPO,広告を出す場が問題なのだ。

資本主義打倒,共産主義革命を唱え,選挙で第一党となり,いま首相となった人物を褒め称える記事の下に,資本主義は下着広告しか出せない。資本主義は,要するに,政治よりも性治(性事),理念よりもエロ,正義よりもカネなのだ。

こんなバカなことをやっていると,マオイストの思うつぼ,資本主義はエロもろとも高貴な共産主義に打倒されてしまうだろう。

3.インドは大歓迎
その高貴バタライ首相は,パワーポリティックス(権力政治)の観点からも,特にインドにより歓迎されている。昨日は,当てずっぽうに、インドがバタライを支援したのではないか,と書いたが,インドのネパール学の権威,SD・ムニ教授も次のように語っている。

「インドは,マデシ諸グループをバタライ支持に回らせ,バタライを当選させた。これは賢明な判断だった。」(ekantipur, Aug29)

また,インド「テレグラフ」(Aug29)も,バタライ首相は連立相手のマデシ(タライ)諸政党に有力ポストをいくつか割り振ることは間違いないから,彼らを通して印ネ関係が緊密化するだろう,と分析している。事実,すでに副首相・内務大臣には,マデシ人権フォーラム民主派(MJF-D)議長のBK・ガッチャダルが指名され就任宣誓をした。

もちろん,バタライ首相は、インドにとってはベストではなくベターな選択にすぎない。「テレグラフ」記事でも,インドはマオイスト政権の左傾化,とくに人民解放軍(PLA)の国軍統合を強く警戒している。マオイストの思い通りPLAを統合すれば,共産主義思想教育を受け,米印支援の国軍と10年間も戦い抜き勝利した彼らが,国軍を乗っ取ってしまう。これをインドはなによりも恐れているのである。

4.印中の狭間のバタライ首相
バタライ首相は,インドにとってはベターな選択にすぎないにせよ,とりあえずはインドの支援を期待できる。

しかし,ここがネパール政治の難しいところで,バタライ首相がインドに接近すれば,王党派,UMLばかりかマオイスト内急進派(バイダ副議長)や中間派(プラチャンダ議長)も,インドの手先(Agent),インドの傀儡として,首相攻撃を仕掛ける。

そして,そこに中国が応援団として介入し,巧妙に反印感情を煽る。バタライが訪印すれば,プラチャンダは訪中する。インドが銃砲を売り込めば,中国は「特車」を援助するだろう。

ネパール政治は,つねに印中の権力闘争の中で翻弄されており,安定化はきわめて難しい。民主主義による統治は不可能とさえ思われるほどだ。もし政権短命が続き,結局,王族か軍によるクーデターとなるなら,その責任の大半は,ネパールの政治家というよりは,むしろ印中の大国主義エゴイズムにあると言ってよいだろう。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/08/30 at 13:23

バタライ首相とタライとインド

印中両国が,バブラム・バタライ首相に当選の祝意を表明した。他国であれば外交辞令にすぎないが,両国の場合,それに留まらない生臭さがつきまとう。

新聞の扱いは,当然ながら,マンモハン・シン印首相の方が圧倒的に大きい。それによると,シン首相は,当選直後に直接電話し,バタライ氏の首相当選を祝う一方,直ちに公式書簡を送り,訪印を要請した。

中国駐ネ大使も、もちろん日曜夕方,バタライ氏を訪問し,祝意を表明したが,新聞の扱いは小さい。訪中要請もなかったようだ。

バブラム・バタライ氏は,マオイストの知恵袋,マオイスト主要文書の作成の多くに関わっている。「マオイスト・イデオローグ,バブラム・バタライ」。

その一方,バタライ首相の知的バックグラウンドはインドにあり,マオイスト内では穏健派のリーダーである。というよりも,プラチャンダ議長派とバタライ派は,もともと別のグループであったのが,反国王闘争のため合流していまの「ネパール共産党毛沢東派」となったのだ。

合流後,バタライ派は地上の合法闘争(選挙など),急進派は地下の非合法闘争を分担したが,これは単なる戦術というよりは,両派の本質的な立場の違いとみてよいだろう。1996年2月人民戦争が始まると,バタライ氏は急進派に攻撃され,一時は「粛正」寸前まで追い詰められた。それくらい,バタライ首相は筋金入りの「穏健派」「修正主義者」なのだ。

政治家としての魅力は,プラチャンダ議長がずば抜けている。天性の明るさ,愛嬌と,ドスの利いた胆力。人民に恐れられ愛されている。巨木をも倒す(事実,倒した)オノのような政治力を持つ人物だ。

これと対照的に,バタライ首相(マオイスト副議長)は,カミソリのような鋭さをもつインテリ政治家である。蛮勇を求められる革命期よりも,むしろ平和再建期に向いている。その反面,オノの剛胆はないので,政治的にぶれ,折衷的となり,挫折する恐れもある。

バタライ首相は,マナスル山麓ゴルカ出身のブラーマン,妻のヒシラ・ヤミ中央執行委員会委員はカトマンズのネワ―ルであり,ともに旧体制の支配身分。丘陵地による南部タライ支配の,支配者側に属する。ところが,そのバタライ氏が,今回はインド国境沿いのタライを地盤とするマデシ連合の支持を得て,首相に当選した。

タライは,広大な平地であり,近年,人口と産業が急成長している。インド文化・経済圏内である。

このタライは,長期にわたり,カトマンズを中心とする丘陵地権力に支配搾取されてきた。しかし,近い将来,これが逆転し,タライがネパール経済の中心となり,そしてそれとともに政治の中心もタライに移ることは,まず間違いない。ネパールのインド化である。

タライ(マデシ)諸政党は,すでに議会議席や公務員の人口比割り当てを要求し,国軍についてもマデシ部隊採用を要求している。

マオイストも,こうした共同体的(コミュナル)要求を全面的に受け入れ,「包摂参加民主主義」を原則とする新憲法案を発表している。

この状況下で,バタライ副議長がマデシ連合の要求を呑み,首相に当選したことの意味は深甚だ。インドがバタライ支持に回り,あれこれ働きかけたのではないだろうか?

■バタライ首相の学んだネルー大学は,いまも共産主義運動の拠点の一つ。
  2010/03/11 社会主義健在:ネルー大学
■バタライ首相出身地ゴルカ。
  2009/03/21 ゴルカの落差と格差:美少女の不幸
  2009/03/21 ゴルカのキリスト教とイスラム教
  2009/03/21 ゴルカのマオイスト
■ヒシラ・ヤミ中央執行委員(バタライ首相夫人)
  2007/07/02 パルバティ同志,ヒシラ・ヤミ(1)
■広大肥沃なタライ。
  2008/09/20 タライの魚釣り少年たち
  2008/09/15 タライの豊かさと貧しさ

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/08/29 at 11:33

制憲議会,マオイスト首相選出へ

ネパール首相選挙は,28日午後投票が行われており,マオイストのバブラム・バタライ副議長が,マデシ連合の支持を得ることに成功し,当選の見込みだ。

ただし,もしコングレスとUMLが完全野党の立場に立つことになると,議会運営は難しくなる。票がどのように分かれるか,注目していたい。

【速報】バタライ首相選出
制憲議会は,28日午後,投票により,Baburam Bhattarai統一ネパール共産党毛沢東派副議長(57歳)を第35代首相に選出した。

■投票総数:575,欠席:19
  ●バタライ(統一共産党毛沢東派):340 [マオイスト,マデシ連合,他]
  ●ポウデル(会議派):235 [NC,UML,RPP,他]

(注)改正議会規則により,「白票」禁止。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/08/28 at 20:15

カテゴリー: マオイスト, 政治

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ネパール政党政治に学ぶ

日本はこれまで,上から目線で,「ネパール民主化支援」などと偉そうなことを言ってきたが,これはたいへんな思い違いであったかもしれない。

この写真は,The Himalayan(2011.8.27)のトップページ。菅首相が惨めな弱々しい姿で頭を下げている。その横には,ネパール諸政党の堂々たる首相選挙記事が出ている。まるで,菅首相がネパール政党政治に頭を下げているようだ。

ネパール政治に問題が多々あることは,もちろん,いうまでもない。しかし,ネパールの政治家や政党は,厳しい権力闘争から多くのことを学び,いまや矮小化した日本政党政治を追い越そうとする勢いだ。首相選も,うまくすると,明日の投票で決着がつくであろう。

キャスティングボートを握るのは,UMLとマデシ連合。日本時間27日5時の段階では,マオイストのバブラム・バタライ副議長が優勢だ。どんでん返しがない限り,バタライ首相誕生となる。日本の首相選挙より,すっきりしている。

と,これだけ褒めたのだから,バタライ副議長,あるいはポウデル議員会長が投票で首相に選出されたら,それこそ敗れた側は「健全野党」となって,某国の介入など拒否し,ネパール人民のため,平和再建に邁進していただきたい。

そうなれば,「民主主義学習ツアー」を組織し,ネパールに民主主義の実際を学びに行きたいと思っている。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/08/27 at 17:34

カテゴリー: 選挙, 政党, 政治

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首相選,ネパールはバタライvsポウデル

ネパール首相選挙に,マオイストのバブラム・バタライ副議長とコングレスのラムチャンドラ・ポウデル議員会長が立候補を届け出た。立候補届出は26日締切,制憲議会での首相選挙は28日午後1時の予定。前回のようなことがなければ,日本よりも早くネパールで首相が選出される。もしそうなれば,日本は政党政治でもネパールに追い越されるわけだ。

UMLは,やはり今回は候補者を出さないようだ。ネパール政界の定石では,次はNC。UMLとマデシ系諸政党がポウデル候補を支持し,マオイストが黙認すれば,めでたくポウデル首相誕生となる。

しかし,UMLはカナル首相選出の際,マオイストに大きな借りがある。マオイストに今度はうちを支持せよといわれると,UMLも断れないだろう。結局,UMLはマオイスト支持に回るのではないか。

というわけで,今のところ,バタライ首相誕生の可能性が大だ。そして,なんといってもマオイストはダントツの最大政党だから,マオイストの協力なくして平和プロセスが進まないのも歴然たる事実。ネパール人民にとっては,マオイストに出来るだけ譲歩してもらって,政権を担当してもらうのがベターな選択であろう。

バタライ副議長はインドとの関係が深く,マオイストであっても,インドがそれほど強引に介入することもあるまい。

残る問題は,やはり,軍。軍が本気で抵抗したら,マオイスト政権は難しくなる。しかし,見落としてならないのは,ネパール軍人は英軍や国連PKOで教育されており,某国自衛隊よりもはるかに国際感覚が豊かだということだ。もし軍がそこそこの条件でマオイスト人民解放軍を受け入れる決断をすれば,ネパール和平は一気に実現する。

そして,そうなれば,バタライ博士には,ノーベル平和賞が授与されるであろう。ギリジャ・コイララ元首相よりもバタライ博士の方が,ノーベル賞にふさわしいことはいうまでもない。

【参考】制憲議会(政党別議席数はThe Hindu報道等による)
定員:601,現在の議員総数:594,首相選出に必要な過半数:298
CPN-M: 238, NC: 114, CPN-UML: 108, マデシ連合: 71, 他: 63

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/08/26 at 17:46

カテゴリー: マオイスト, 政党, 政治

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中国系NGOのルンビニ開発計画

中国が、政治,経済,文化など、あらゆる分野でネパール攻勢を強めている。

1.中国政府系チベット書店
以前,タメルに出来た中国政府系とおぼしき中国書店について書いたことがある。
 ▼中国書店 2010.09.03

妙だと思ったのは私だけではないらしく,ネットにこんな記事が出ていた。
 ▼Warring Tibetan Bookstores: A Glimpse of Nepal Between Great Powers

記事によると,この中国系チベット書店は,「自由チベット運動系チベット書店に対抗するため」,つまりダライ・ラマ=チベット自由運動「支持派を切り崩すため」,宣伝としてつくられた。

この記事の著者は,3回書店に行ってみたが,店はお役所的で,「店内には1人も旅行者はいなかった」。中国筋は本や宗教のことなどどうでもよく,本当の目的は,改革開放後中国の宣伝だというのである。

この記事は,1年前の私の記事と実によく似ている。書店があまりにもユニークなので,誰でも同じような印象を持つことになるのだろう。

2.ルンビニ開発計画
もう一つ,中国援助のルンビニ大開発計画も注目される。
 ▼In the land of the Buddha
 ▼Lumbini as geopolitical ping pong

ルンビニ開発には,丹下健三氏が関わったユネスコ計画がある。1980年完成予定だったそうだが,例のごとく完成はしていないらしい。そこに,香港のAsia Pacific Exchange Cooperation Foundation(APECF)が登場,巨額の投資話が持ち上がった。

そしてまた,ここでもやはり政治家が絡む。それも何と,われらが英雄プラチャンダ議長とそのご令息プラカシ氏だというから,あまりにも出来すぎだ。面白すぎて,今後どうなるか,ハラハラ・ドキドキ。

しかし,穏やかならぬのが,お隣のインド。ルンビニは国境のすぐそば,石を投げれば届きそうな距離だ。そこに中国が,しかもマオイストの親玉父子と組んで,大開発計画を始める。ネ印国境が,中国=マオイスト連合軍で真っ赤に染まってしまう。

中国は,これまでにもタライ方面に孔子学院などを設立し,文化攻勢をかけてきた。その目玉が,このAPECFルンビニ大開発計画になるのではないか?

心配なのは,こうした中国の政治,経済,文化にわたる大攻勢に,インド(とアメリカ)がどう対抗するかだ。ネパール政治は,つねに中印関係と連動している。首相選挙との関連にも要注意だ。
 ▼中国のネパール進出とアメリカ国益
 ▼中国のネパール介入拡大

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/08/19 at 20:07