ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

次期首相,デウバかバタライか?

カナル首相(UML)の辞任(8月15日)に伴い,次期首相をめぐる駆け引きが激しくなってきた。

1.デウバ元首相(NC)
政権たらい回しのネパール政界鉄則からいえば,コイララ(NC)→プラチャンダ(M)→MK・ネパール(UML)→カナル(UML+M)の次は,当然,コングレスとなる。

そこでコングレスは16日,SB・デウバ元首相を首相候補とし,挙国政府樹立を目指すことになった。

しかし,これには,ヤダブ大統領指定の21日までに挙国政府合意成立が条件となっており,結局,反故となる可能性が高い。NC内も,派閥争いでテンデンばらばら。議会多数決となれば,パウデル副議長(議員団長)に投票ということもあり得る。

2.バタライ副議長(マオイスト)
マオイストも16日,バブラム・バタライ副議長を挙国政府の首相候補とすることを確認した。

バタライ副議長は,挙国政府合意成立を要求しているが,党としては,挙国政府合意が出来なくても,バタライ候補を推す考えだ。この場合,マオイスト主導連立政権となる。

マオイストは,議会ダントツ第1党であり,バタライ副議長も知性派として知られ,マオイスト外でも人気は高い。バタライ首相の可能性は大いにある。

3.UML?
UMLは,まだよく分からない。マオイストとNCの取引が不調となれば,ポカレル書記長か他の誰かが再びマオイストの支持で首相となる可能性はある。UML内はNC以上にバラバラ。マオイストにとっては,NC以上に手を突っ込みやすい状況だからだ。

4.カナル暫定首相継続
挙国政府合意も、議会多数派工作も失敗した場合,MK・ネパール首相辞任後と同様,カナル暫定首相が、当分,続くことになる。

火を落とした風呂のような状態だが,暫定首相でも、既得権益維持派にとっては、取り立てて不都合はなかったのだから,これも名案ではある。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/08/17 @ 11:00

カテゴリー: マオイスト, 政党, 政治

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