ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

首相選,ネパールはバタライvsポウデル

ネパール首相選挙に,マオイストのバブラム・バタライ副議長とコングレスのラムチャンドラ・ポウデル議員会長が立候補を届け出た。立候補届出は26日締切,制憲議会での首相選挙は28日午後1時の予定。前回のようなことがなければ,日本よりも早くネパールで首相が選出される。もしそうなれば,日本は政党政治でもネパールに追い越されるわけだ。

UMLは,やはり今回は候補者を出さないようだ。ネパール政界の定石では,次はNC。UMLとマデシ系諸政党がポウデル候補を支持し,マオイストが黙認すれば,めでたくポウデル首相誕生となる。

しかし,UMLはカナル首相選出の際,マオイストに大きな借りがある。マオイストに今度はうちを支持せよといわれると,UMLも断れないだろう。結局,UMLはマオイスト支持に回るのではないか。

というわけで,今のところ,バタライ首相誕生の可能性が大だ。そして,なんといってもマオイストはダントツの最大政党だから,マオイストの協力なくして平和プロセスが進まないのも歴然たる事実。ネパール人民にとっては,マオイストに出来るだけ譲歩してもらって,政権を担当してもらうのがベターな選択であろう。

バタライ副議長はインドとの関係が深く,マオイストであっても,インドがそれほど強引に介入することもあるまい。

残る問題は,やはり,軍。軍が本気で抵抗したら,マオイスト政権は難しくなる。しかし,見落としてならないのは,ネパール軍人は英軍や国連PKOで教育されており,某国自衛隊よりもはるかに国際感覚が豊かだということだ。もし軍がそこそこの条件でマオイスト人民解放軍を受け入れる決断をすれば,ネパール和平は一気に実現する。

そして,そうなれば,バタライ博士には,ノーベル平和賞が授与されるであろう。ギリジャ・コイララ元首相よりもバタライ博士の方が,ノーベル賞にふさわしいことはいうまでもない。

【参考】制憲議会(政党別議席数はThe Hindu報道等による)
定員:601,現在の議員総数:594,首相選出に必要な過半数:298
CPN-M: 238, NC: 114, CPN-UML: 108, マデシ連合: 71, 他: 63

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2011/08/26 @ 17:46

カテゴリー: マオイスト, 政党, 政治

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