ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

6州案・11州案答申,国家再構築委員会

国家再構築委員会(SRC)が1月31日,合意を得られないまま,6州案,11州案の2案を提出した。

■11州案(多数意見。マオイスト,マデシ,一部UML)
 Karnali-Khaptad, Madhes-Abadh-Tharuwan, Magrat, Tamuwan, Narayani, Newa, Tamsaling, Kirat, Limbuwan, Madhes-Mithila-Bhojpura,Dalit(非領域州)
 ダリット州以外の10州はスターリン型領域民族州で,多数派民族に優先権が与えられる。連邦政府と州政府の権限分割不明確。

■6州案(少数意見)
 タライ2州: 民族・歴史・文化による州区分
 他の4州: 経済関係による州区分
 残余権: 連邦政府

もうムチャクチャ。 多数意見の11州案では,州内少数派は現在以上に不利な立場に立つ。またダリットにだけ特権を与え,非領域的自治州にするのは奇策だが,こんなことをして本当に大丈夫か? ダリットをレンナー型非領域的民族州とし自治権を与えれば,当然,他の非集住型民族・集団も同じことを要求する。「土地なし農民州」なんかが出来たりして。

6州案の方も,州区分の根拠があやふや。しかも,もしこれをやれば,タライ2州はおそらく分離し,インド準州となるだろう。

こんな非生産的なバカなことはやめ,単一国家の地方自治の充実拡大に戻るべきだ。

* ekantipur,2012-1-31

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2012/02/02 @ 18:57

カテゴリー: 憲法, 民族

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