ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

外務審議官訪ネ:地味報道と誤解

別所外務審議官(ネパール報道ではDeputy Foreign Minister)が22-23日,ネパールを公式訪問され,バブラム首相らとも会見されたが,メディアの扱いは小さかった。

別所審議官は,ネパール平和構築支援や青年50人への危機管理訓練などを約束され,日本援助のカトマンズ=バクタプル道路の視察もされたらしい。

これに対し,ネパール各紙がその小さな記事の中で特に言及したのは,バブラム首相らが別所審議官に対し,「ルンビニ観光年2012」に日本人仏教徒観光客を多数送り込んで欲しい,と要請したということ。

あれあれ! ルンビニ開発は,韓国のプランで,中国資本が手がけるのではなかったかな? 115m大仏に,プール付五星高級ホテル。残念ながら,韓国援助の新国際空港も中国援助のルンビニ鉄道も間に合いそうにないが,それでも中国・韓国による巨大開発が始まっているであろうルンビニに,清貧を旨とする日本人仏教徒を招くという。

ネパールは,日本を誤解している。政府系ライジングネパールは,別所審議官訪ネ記事を「経済記事」に分類し,バブラム首相やプラチャンダ議長らも日本のフトコロを当てにしている。完全な誤解。日本は,もはや中国や韓国のようなお金持ちではないのだ。

落日ニッポンの姿は,政府開発援助(ODA)削減をみれば,明らかだ。

目も当てられない惨めさ。ODAは今後も大幅削減を免れない。金持ちの清貧ではない。本当に,お金が無いのだ。

しかも,ネパール援助は,日本にとって見返りがほとんど無かった。費用対効果が極端に悪い。「国益のための援助」に方向転換した日本政府が,「無駄な援助」をバッサリ切る可能性は十分にある。

金の切れ目が縁の切れ目となるかどうか? そうさせないのが外交の役目だが,さて,どうなるやら。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2012/02/25 @ 11:05

カテゴリー: 経済, 外交

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