ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

爆破テロの恐怖

ネパール石油公社(NOC)が2月27日午後1時頃,高性能爆薬で爆破され,3人死亡,7人負傷の大惨事となった。

NOCビルの隣のカトマンズ郡裁判所には,商売柄,よく行く。前の路上の屋台で,お茶をすすりながら,あれこれ観察する。そのすぐそばのNOCビルが爆破され,外壁が崩れ,犠牲者の身体がバラバラになって飛んできたというから,恐ろしい。もし訪ネ中だったら,犠牲者の1人になっていたかもしれない。

爆破声明を「統一民族解放戦線」が出しているが,本当かどうか,まだ分からない。人民戦争中,爆発物やその製造方法が国中に広まり,その気になれば,容易に爆破テロは実行できる。

このような状況で,失業や物価上昇が拡大していくと,危険なことになる。今回の石油値上げは,国際価格が急騰しネパール政府の手に余る事態とはいえ,一般庶民にはそのメカニズムはよく分からず,非難は目の前の石油公社に向かいがちである。

それでも政党系団体や学生組合などの抗議ストは,まだしも統制がとれているが,庶民の不満がこのまま拡大・深化していくと,今回のような爆破テロ,さらには社会不安の拡大そのもの,社会秩序の破壊そのものを目的とした無差別テロさえ惹起しかねない。

不況下の物価上昇は,日本のような先進国よりもむしろネパールのような途上国にとって,より深刻な事態をもたらすだろう。


 ■ネパール石油公社(下),カトマンズ郡裁判所(上)  [Google]

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2012/02/28 @ 15:24

カテゴリー: 経済, 政治

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