西セティ・ダム建設,紛糾
中国企業(三峡公司)が受注した西セティ・ダム建設をめぐって議論が紛糾している。議会委員会が,競争入札でないのは不透明だと調査を始めたのに対し,中国企業は,そんなことをいうのなら撤退だ,と強腰だ。
興味深いのは,この住民移転強制・自然破壊ダムの建設を強行しようとしているのが,マオイストで,調査を要求しているのがNCなど野党側だということ。
マオイストは,「人民」も「自然」も「民主主義」もそっちのけで,早く建設を承認しないと,中国企業が撤退してしまうと,調査打ち切りを強硬に要求している。まるで「人民」の敵がマオイスト,味方がNCのようだ。
報道はされていないが,これは一種の中印代理戦争ではないか? 西ネパールの敏感地帯に中国企業が巨大ダムを建設する。インドからすれば,面白くないだろう。
谷川昌幸(C)