ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

マオイスト分裂へ

バイダ(キラン)を中心とするマオイスト急進派が16日、全国代表者大会を開催、約2千人が参加し、プラチャンダ議長=バブラム副議長(首相)の主流派を激しく非難、分離・分党はもはや避けられない情勢だ。

バイダ副議長らによれば、主流派による「人民政府」「人民解放軍」「革命根拠地」の解体は誤りである。とくにプラチャンダ議長は、贅沢三昧、党員の汗と血であがなわれた資金を浪費している。プラチャンダ=バブラム主流派は、国家と人民を裏切った「買弁」政治家だという。

大会では、はやくも新党役員も議論された。新党議長はバイダ(現M副議長)、またはバイダを党首とし議長はRB.タパ(現M書記長)とする。書記長はCP.ガジュレルかNB.チャンド。

この大会には現マオイスト中央委員数名が参加しており、もはや分党は避けられそうにないが、皮肉なことに、まだ設立もしていないのに、はや幹部間では主導権争いが始まっている。内ゲバは、理念政党の宿命とはいえ、これでは新党の先が思いやられる。

また、この大会では、主流派による制憲議会解散・選挙実施の選択が激しく非難されたが、逆に言えば、それは旧制憲議会の何らかの形での延命の要求である。

なぜ4年間も空論に明け暮れた制憲議会をバイダ派は延命させたいのか? それは、選挙となれば、現状ではバイダ派の勝利の目はほとんどなく、せっかく手にした制憲議会体制での既得権が失われるからではないか? わが民主党新人チルドレンのようなものだ。

もしそうなら、バイダ派の「人民」や「革命」も、やはり既得権益のためということになってしまうであろう。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2012/06/17 @ 11:12