ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

制憲議会選挙に国際支援はあるか?

政府は,27日,制憲議会選挙関係法令を閣議決定し,大統領の認証を得ることにした。具体的な内容は不明。

この制憲議会選挙法の方は,ヤダブ大統領の認証を得れば,政令(ordinance)の形で通すことは可能だ。大統領は与野党合意がなければ認証できないといっているが,議院内閣制の下,大統領が内閣の助言を拒否するとすれば,これはこれで別の問題が生じる。

しかし,暫定憲法の改正は,そうはいかない。先述のように,憲法改正権限をもつ議会が存在しないからだ。いったい,どうするつもりだろうか? 切り札,ジョーカーたる第158条の「憲法上の困難を除去する権限」を使うつもりだろうか? 使えば,ますます非民主的となり,国王親政と変わらなくなる。

もちろん,主権は「人民」にあり,憲法制定権力は「人民」のものだ。しかし,その「人民」は,どこに存在するのか? 与党(UCPN+マデシ戦線)と野党(NC,UML,CPN-M等)の合意といっても,選挙はすでに4年以上も前のこと,しかも状況は当時とは大きく変化している。与野党合意がなっても,到底,現在の「人民」の総意とは言いがたい。既得権益の「談合」以上のものではない。

最近,訪ネしていないので,実情は正確には分からないが,ネットなどで見る限り,国際社会の関心も大きく低下している。既得権益のための談合選挙のようなものに,国際社会の支援が得られるだろうか? はなはだ疑問である。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2012/07/29 @ 22:00

カテゴリー: 選挙, 憲法

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