ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

ゾンビ議会か復古王制か

制憲議会選挙は,カネと正統性の欠如で,実施がますます難しくなってきた。選挙して何が変わるのか,といったしらけムードが広がっている。

そこで台頭し始めたのが,制憲議会(CA)復活案。NC内では元々強かったし,UMLでも2日,元議員たちが党本部御殿に集まり,5月27日の議会消滅は党指導部の責任だ,選挙ではなくCA復活せよ,との虫のよい要求をとりまとめた。

マオイストは,政権党だから,CA選挙を建前とするが,元議員の多くはいわゆる「○○チルドレン」であり,おそらく選挙ではなくCA復活を願っていると思われる。

しかし,このような形での復活議会は,何の正統性もないゾンビ議会であり,成果はあまり期待できない。

選挙も議会復活も困難とすれば,残るは1990年憲法の復活,王制復古となる。これにも,もちろん大きな問題がある。マオイスト革命は,社会構造を大きく変えた。一種の社会革命といってもよいほどである。そうした新しい社会において,旧体制への復古が可能とは到底思われない。もし王制復古となるのであれば,それは天皇以上に無権力の象徴国王とせざるを得ないだろう。

シラケ選挙かゾンビ議会か復古王制か? いずれもパッとせず,元気が出ないが,アナーキーや専制よりはマシとはいえるであろう。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2012/08/04 @ 09:48

カテゴリー: 選挙, 国王, 憲法, 民主主義

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