ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

プラチャンダ議長,欧州議会で演説

プラチャンダ統一共産党マオイスト議長が,10月15日,欧州議会に招かれ,演説をした。”Peace Process and Political Transition in Nepal: Nepal’s Journey Towards Peace, Democracy and Inclusivity.”

長い演説の大半は外交辞令。形式的な無難な美辞麗句をつなぎ合わせ,延々と,しかも堂々と演説してのけたのは,やはり非凡,大物だ。

その空々しい美辞麗句の中に,自慢話と他党批判がさりげなく織り込まれている。欧州相手だから,自慢話は,当然,人民解放軍(PLA)の社会復帰・統合プログラムの成功。実際には,自分が率いて戦わせ,勝利後不要となりお払い箱にしただけなのに,英雄にとっては,それも偉大な平和貢献なのだ。

逆に,悪はすべて既成の「頑迷な政治勢力」。制憲議会が成果なく消滅してしまったのも,人民を抑圧し搾取してきた「伝統的議会諸政党の非協力」のせい。

これに対し,われわれ(つまりマオイスト,つまりプラチャンダ議長)は,頑迷な既成諸政党との粘り強い交渉を通して何とか和平を前進させようと努力してきた。だから,EUや国際社会には(われわれへの)支援をお願いしたい,というわけだ。

このプラチャンダ議長演説は,ネパール政府代表としてのものか,それとも統一共産党マオイスト議長としてのものか,よく分からないが,実質的にはプラチャンダ議長の自慢話と彼への支援要請となっている。

9割の社交辞令の中に1割の本音をさりげなく入れる。なかなか,うまい。見習いたいものだ。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2012/10/19 @ 19:26

カテゴリー: マオイスト, 外交

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