ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

佐野氏の執筆責任放棄と朝日の表紙かくし

1.佐野氏の執筆責任放棄
佐野眞一氏は,自著記事「ハシシタ 奴の本性」(週刊朝日10月26日号)について,次のようなコメントを出されたという。

「記事を執筆したノンフィクション作家の佐野眞一氏は、朝日新聞出版を通じコメントを発表。「記事は『週刊朝日』との共同作品であり、すべての対応は『週刊朝日』側に任せています」と説明し、「記事中で同和地区を特定したことなど、配慮を欠く部分があったことについては遺憾の意を表します」とした。」(毎日新聞ネット版10月19日)

しかし,すべての対応を週刊朝日側に任せるというのは,文筆家にとって命よりも大切なはずの執筆責任(文責)の放棄ではないのか?

『週刊朝日』表紙を見ても,朝日新聞広告を見ても,記事キャプションを見ても,執筆者として佐野氏の名前が大書され,取材班2名の名は全然記載されないか,ごく小さく記載されているかのいずれかだ。

この連載記事は,佐野氏の執筆である「はず」であり,第一の執筆責任が佐野氏にあることは明白である。佐野氏は,著者(author)として「ハシシタ 奴の本性」を書き,自著として権威づけた(authorised)のであり,その創作行為には当然,創作者(author)としての責任がある。

もし自分の名を冠した作品に対する責任を回避するなら,佐野氏は作家としての権威(authority)を失ってしまうだろう。

2.朝日の表紙隠し
一方,朝日新聞は,『週刊朝日』10月26日号の表紙画像を,ネットサイトから削除してしまった。

ハシシタ 橋下徹のDNAをさかのぼり本性をあぶり出す」とデカデカと書いてしまったのが,いまとなっては恥ずかしく,あわてふためいて表紙画像ファイルを削除したらしい。

こんな表紙画像を残しておくと,血統主義・人種主義の応援団としての,人権無視の旗手としての,朝日新聞の「本人も知らない本性」が,あぶり出すまでもなく一目瞭然だからであろう。

橋下市長のDNAは暴いてもよいが,朝日新聞のDNAは見せてはならない!

が,これは猿知恵。大慌てで表紙画像ファイルだけを削除してしまったため,あちこちで醜いリンク切れが発生,「×」「×」表示となってしまった。大手サイトにはあるまじき醜態。リンク元画面の修正すらできないほど,朝日新聞は動転しているのだ。



  ■ 表紙画像が削除された朝日ネットサイト

しかし,これは頭隠して尻隠さず。朝日新聞DNAを明記した『週刊朝日』表紙は,削除以前にコピーされ,ネット上にまき散らされた。ネット時代には,頭は隠せても,尻は隠せない。

ネットが続く限り,朝日新聞は血統主義・人種主義・優生思想のDNA――本人も知らない本性――を原罪として背負い続けなければならない。

どう贖罪するのか? 本性としての原罪と真摯に向き合うことなくして,これから先,朝日新聞が何を言おうと,その原罪の故に,結局は誰にも信じてはもらえないだろう。

朝日と佐野氏の優生思想:「ハシシタ 奴の本性」の危険性

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2012/10/22 @ 16:32