ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

ネパールでのPKO訓練に日本も参加

駐ネ米大使館によれば,「ビレンドラ平和活動訓練センター(BPOTC)」で3月25日~4月7日開催の「Shanti Prayas-2(平和活動-2)」訓練に,日本も参加している。日本側情報を探したが見当たらず,参加自衛隊員のランクや人数は不明。

130330a ■Shanti Prayasシンボルマーク(BPOTC)

訓練は,米太平洋軍が主導,ネパール国軍が協力し,行われているようだ。参加総数871人(内ネパール416人)。インド軍も参加している。訓練には幹部スタッフ訓練と野外演習があり,日本は双方に参加。

BPOTCは,カトマンズの東方,パンチカルの高原(標高942m)にある。1986年設立。PKO派遣要員を年8000人以上訓練している。この付近は何回か通ったことがあるが,広大な美しい訓練基地であった。

130330b ■BPOTC(Google)

しかし,パンチカルはチベット(中国)国境のすぐ近く。敏感地帯にある。そこに米軍主導で,インド軍や日本軍(自衛隊)が,国連平和活動を名目に軍事訓練をする。中国メディアも「客観報道」をしているが,さて本心はどうだろうか?

130330c  ■野外訓練(BPOTC)

今回もそうだが,いまでは自衛隊員の海外派遣は日常茶飯事。ニュースにもならない。日本の軍事化は,着々と進んでいる。このまま行けば,憲法の「改正」,自衛隊の「国防軍」格上げも遠くはあるまい。

野口健氏も,かつて(2007/03/23)こう主張された。「今月末に自衛隊が停戦監視団としてネパール入りするが、武器を持たず大丈夫なのかと心配になる。せめて自身の安全を守る武器保有は認められるべきだと思うが。日本国内でも PKO や停戦監視団で現地に行く自衛官に対して「武装するべきではない」といった意見もあるが、「それならばあなた方が丸腰で行ってみろ」と言いたい。どれだけの恐怖か。」(http://www.noguchi-ken.com/M/2007/03/post-303.html)

【追加2013/04/01】
この訓練のスポンサーは,米国務省。大使館HPで盛んに宣伝している。イラク・アフガンで懲りて,PKOに宗旨替えしたのかな?

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 ■U.S. Pacific Command Deputy Commander Lt. Gen. Thomas L. Conant lays a wreath with Nepalese officers at Exercise Shanti Prayas-2 at the Birendra Peace Operations Training Center. (米大使館HP)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2013/03/30 @ 23:20

カテゴリー: 平和, 憲法

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