ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

京都の米軍基地(8):基地反対集会

1.「6・15丹後集会」
「京都に米軍基地はいらない! 6・15丹後集会」に参加した。雨天にもかかわらず,参加者約500名。

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▼集会次第
13時30分~ 司会 丹後連絡会事務局長 近江裕之
      主催者あいさつ 丹後連絡会副代表 三野みつる
      会の代表などを紹介、メッセージの紹介
13時38分~ 経ケ岬米軍基地設置 徹底質問 軍事と法律の専門家に聞く
      質問者 府民の会 小林さん
      回答者
       府民の会事務局長・京都平和委員会理事長 戸田昌基
       自由法曹団京都支部事務局長・弁護士   渡辺輝人
      京丹後市議会、京都府議会での質疑・協議について
      会場のみなさんからの質問時間もとります
      カンパの訴え
14時10分~ 私も一言
      集会アピール
      閉会あいさつ 府民の会代表 京都総評・吉岡徹議長
14時35分閉会

▼京都に米軍基地いらない6・15丹後集会アピール
日米両政府は、京丹後市経ケ岬に米軍基地を設置しようとしています。

私たちは丹後の美しい自然を生かした地域の振興を願っており、米軍基地の設置は、このことを真っ向からふみにじるものです。米軍基地の設置をやめるよう、私たちは強く求めます。

新たにつくられようとしている米軍基地は、アメリカ本土のミサイル防衛のための「目」となるXバンドレーダーを設置するものです。これは、核戦争の最前線基地が京丹後市につくられるということです。米軍基地の設置は、この地域の軍事的な危険を高め、住民のくらしと自然を脅かします。

Xバンドレーダーは、住宅地から数百メートルしか離れていないところに置かれます。日本政府は安全だと主張していますが、強力な電磁波を出すため、レーダー周辺は150メートルの立ち入り禁止区域と半径6キロ、高度6キロの飛行禁止区域が設定されます。海難事故の救援や、ドクターヘリの運行にも支障が出ます。そのため住民は強い不安を抱いています。

今、全国に132の米軍基地があります。どこでも米軍と軍属による犯罪、不祥事、交通事故が問題となっています。そして、安保条約にもとづく取り決めによって、米軍と軍属が日本で問題を起こしても、日本の警察が調査・逮捕できない事例が、あいかわらず多発しています。経ケ岬には米兵と軍属が160名配備されようとしています。この不安も拭い去ることはできません。

京都に米軍基地はいりません!

住民のくらしと自然を守るため、「京都に米軍基地はいらない」の声を一層大きくしましょう。

2013年6月15日

京都に米軍基地いらない6・15丹後集会参加者一同

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1時間あまりの集会では,米軍Xバンドレーダー基地の概要が説明され,いくつもの危険性が厳しく指摘された。現地で,現場を前にした説明は,やはりリアリティがある。とくに,地元の平と袖志の方,そして「宇川有志の会」の方の発言は,具体的であり,地元の切実さがひしひしと感じられた。

2.組織主導と運動の広がり
この集会には500人ほど参加しており成功と言えなくはないが,私のように横から参加した者から見ると,労組など団体が目立ち,やや広がりに欠けるように見えた。運動には,それを担う様々な実行組織が不可欠であり,労組などが重要な役割を果たすのは当然だ。しかし,それが前面に出すぎると,運動は一般へと拡大しにくくなるのではないだろうか。

米軍基地は,地元の人びとの日常生活を大きく変えてしまう恐れがある。米軍の事故・犯罪,電磁波被害,騒音,水不足などから,攻撃目標にされる不安と恐怖,そして軍事機密とそれにつきものの住民の思想・信条・行動監視。まさに平穏な日常生活の破壊である。その現実の危険を,地域の人びとに,どう説明し訴えていくのか? これは難しい課題だが,その危険の十分な理解なくして,地元の反対運動は広がらないだろう。

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 ■丹後集会(6/15)

3.平の海岸美と公害被害
ところで,「6・15丹後集会」が開かれたのは,米軍基地予定地の西方,平海岸駐車場においてである。平は,白砂青松の美しい海岸で,夏には多くの海水浴客でにぎわう。そのため,広い駐車場もつくられている。

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 ■平海岸(6/15) 

しかし,この海岸にもプラスチックなど,廃棄物が無数流れついている。特に驚いたのが,砂浜の可憐な野草の上に黄色い網がかかっていたこと。はじめ遠くから見たときは,てっきり黄色い花が一面に咲いているのだと思った。ところが,浜に出てみると,それは花ではなく,捨てられ流れ着いた黄色の網だった。これはヒドイ。無残だ。

米軍基地問題とは無関係と思われるかもしれないが,決してそうではない。このような自然破壊についても,真剣に取り組み,漁業,観光など,地元産業を守り発展させていかないと,基地依存経済への誘惑を断ち切れないだろう。

130616d ■平海岸:野草を覆う廃棄網(6/15)

4.廃校と道路建設
平の半島内陸側は,急峻な山地で平地はほとんどない。しかも日本有数の豪雪地帯。かつては小さな集落が点々とあったが,離村で無人となったところも少なくない。

平から車で20~30分登った三山地区もそのような集落。家や畑の世話はされているが,住んでいる人はいないようだ。谷間にひっそりとカトリック教会の集会所とマリア像があった。信者が多かったのだろう。別の険しい山道をさらに登ると,ごく小さな集落があったが,ここは完全な廃村となっていた。

このように,丹後半島の内陸部の生活は厳しい。当然,道路建設への要望は切実だ。そうした強い要望もあり,いま丹後半島の各地で大規模な道路建設が始まっている。

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 ■三山のカトリック教会/深山の廃屋(6/15)

130616a ■山村のバイパス工事(6/15)

米軍基地反対運動が難しいのは,一つには,こうした地域開発への切実な要望があること。アメリカは日本を,日本の都市部は地方を,地方は僻地を,文字通り「周縁化」し,搾取してきた。しかも,この問題は,ひとり1票の多数決民主主義では解決できない。

このような構造的暴力を温存し,そこから利益を得ている限り,都市住民には地方開発を云々する資格はない。原発と同様,地域住民は危険覚悟で米軍基地を受け入れるつもりかもしれないからだ。背に腹はかえられない。

これも難しい問題だが,目を背けていては,反対運動は地域への広がりを期待できないであろう。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2013/06/17 @ 14:16