ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

権力乱用調査委員会(2):国外労働省,出入国管理省,ネパール石油会社など

(2)国外労働省・出入国管理省・TIA警察の捜査
CIAAは,8月23日,国外労働省(Department of Foreign Employment)職員17人,出入国管理省(Department of Immigration)職員18人を逮捕した。翌24日には,下記人材斡旋会社の社員4人も逮捕している。
 ▼Sanaa International
 ▼Progressive Placement
 ▼Advance Recruitment

報道によれば,国外労働省職員は,人材斡旋会社から賄賂を受け取り,労働者77人の渡航書類を偽造し,カタールへ出国させようとした。このうち,すでに34人は出国済み。

この国外労働汚職には,当然,トリブバン国際空港(TIA)も絡んでいる。そこでCIAAは,TIAの出入国管理事務所や空港警察も捜査した。

国外労働を希望して関係官庁を訪れる青年は1日1500人にのぼる。今回の大量逮捕で,国外労働関係事務所はどこも大混乱に陥っているという。(ekantipur, Aug.24;Republica,Aug.24;Himalayan, Aug.23)

130907a 130907b
 ■人材斡旋会社の宣伝

(3)ネパール石油会社の捜査
CIAAは,8月31日,石油類輸入汚職容疑で,ネパール石油会社(NOC: Nepal Oil Corporation,国有)のビラトナガル支店を捜査した。

報道によると,インドから輸入する石油類は,タンクローリー1台当たり,規定より60リットル少ない。あるいは,200リットル少ないという指摘もある。その分は,石油販売会社の損失となる。また,検査官らは,タンクローリー1台当たり1000ルピーの賄賂を取っているという。(Himalayan,Aug.3; nepalnews.com,Aug31)

捜査結果の報道はまだ無い。

130907c ■ネパール石油会社

(4)道路通行税事務所の捜査
CIAAは,6月2日,ダディング郡の道路通行税徴収所2カ所を捜査し,現金100万ルピー,領収証,銀行書類等を押収,また職員の自宅等も捜査した(Republica, Jun.2)。

そして,職員6人を通行税243万ルピー横領の罪で特別法廷に起訴した(Republica, Sep.1)。

(5)公用車私用捜査
CIAAは,8月6日,各機関の公用車の私的利用の捜査に着手した。

ネパールでは,日常的に,公用車を自家用車代わりに使い,寺参り,食事,家族旅行などに出かけている。これに対し,CIAAは,交通警察などに指示し,取り締まりを強化させた。その結果,公用車の私的利用は激減した。

6日以降の2週間で,摘発は5台(Himalayan, Aug.24)。

(6)ナラヤニ病院の捜査
CIAAは,9月1日,ナラヤニ地域病院(ビルガンジ)の4人を特別法廷に起訴した。
 ▼医師 1人
 ▼病院開発委員会議長 1人
 ▼病院開発委員会委員 2人
容疑は,偽造書類をつくり24人を病院に雇用したというもの。

また,CIAAは,ラウタート郡保健事務所に不正な方法で83人を雇用したとして,保健省幹部1人を摘発し,保健省に省としての処分を要請した(Republica, Sep.1)。

130907d ■ナラヤニ地域病院(Google)

Written by Tanigawa

2013/09/07 @ 17:44