ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

制憲議会選挙2013(23):パタン南方の桜と中国日報

11月24日,パタン南方のティカ・バイラブに行ってみた。キルティプルからパタン経由,タクシーで1時間近くかかる山麓の小村だが,テチョ,チャパガオン方面からの市街地開発はすぐ近くにまで及び,山腹には自動車道も出来ていた。数年で,道路沿いは商店や住居で埋め尽くされるだろう。テチョ,チャパガオンまでは,すでに前日(23日),行っているが,少なくとも道路沿いは無秩序な新築建築物で埋め尽くされ,車も多く,あまり感心しなかった。

131203a ■ティカ・バイラブ:巨石ご神体(?)と川向かいの学校

24日にティカ・バイラブに行ったのは,一つ西の丘,コカナ,ブンガマティ経由。こちらは車も少なく,道路沿いには緑が多く,美しい。往きはタクシーだったが,帰りはチャミ付近で下車し,丘の上の道をパタンに向け歩いて戻った。舗装道路だが,車はたまに通るだけ。菜の花(からし菜?),マリーゴールド,ラルパテなど,花々が咲き乱れている。

そして,圧巻はなんと言っても,桜。ちょうど満開で,いたるところに咲いている。特に西側斜面に多く,まるでネパールの吉野。自然林なのか植林なのか分からないが,一面,桜の小高い丘もあった。

131203d ■丘の桜(カトリガウン付近)

この付近の桜は,色は白に近いものから濃い桃色まで,花は一重からから八重に見えるものまである。ソメイヨシノそっくりの桜もあった。しかも,花持ちがよく,長く咲いている。もう少し増やせば,桜大好き日本人が大挙押し寄せるにちがいない。

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■農民と桜(チャミ)/チョウタラ・農民・菜の花(チャミ)/カンナと桜(コカナ)

そんな野山の花々を愛でながらしばらく歩くと,道ばたに小さな茶店があったので,一服した。ネパール茶一杯10ルピー(10円)。茶を飲みながら,ふと見ると,なんと「中国日報英語版」がおいてあった。パタン郊外とはいえ,かなり遠い山村の地元民しか立ち寄りそうにない小さな茶店に,どうして「中国日報」がおいてあるのだろう?

村の茶店が「中国日報」を販売しているとは思えない。おそらく,誰かがカトマンズかパタンから持ち込み,茶店においていったのだろう。が,そうだとしても,こんな田舎にまで「中国の進出」が及んでいるとは,正直,驚いた。

131203b ■茶店の中国日報(チャミ)

茶店から丘の上の道を少し歩き,チュニッケル付近から踏み分け道を西に降り,中腹の小道に出て,それをブンガマティまで歩いた。この付近は,よそ者が少ないとみえ,昼間でも犬が吠えかかり,かなり危険。それさえ用心すれば,静かで,花々が咲き乱れる絶好の散歩道。次は,この道をもう少し奥までたどってみたい思っている。

ブンガマティは,昨年,来たことがあるので,ざっと見て回るにとどめ,村道をさらにコカナまで歩いた。コカナは,村開発委員会(VDC)が外人入域料50ルピーを徴収するようになっていた。

24日,見て歩いたパタン南方郊外では,コングレスの旗やビラが他党よりも多かった。たとえば,コカナには下図のような“コングレスの門”が造られていた。おそらく,この付近の共同体はコングレス支持なのだろう。ネパール国民の投票行動は,このような現実をも踏まえ,理解すべきであろう。

131203f ■コカナのコングレス

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2013/12/03 @ 19:26