ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

第二次制憲議会招集

ネパールメディアからしばらく目を離していたら,第二次「制憲議会」が招集され,「立法議会」も開会されていた。ネパール政治は変化が速く,後追いだけでも大変だ。

制憲議会(संबिधान सभा)は,2007年暫定憲法第69条(1)によれば,選管の選挙結果確定発表後21日以内に,首相が招集することになっている。ところが,制憲議会の新憲法制定以外の立法を任務とする立法議会(व्यवस्थापिका-संसद)の方は,暫定憲法第51条(1)により,大統領が招集することになっている。制憲議会と立法議会は同一議会の2側面にすぎないのに,招集者は別。規定からしてややこしい。

それもあって,制憲議会を誰が招集するかで,早速大もめ。レグミ大臣会議議長(選挙管理内閣議長)に対しては批判が多く,招集者はヤダブ大統領にすべきだとか,新たに大統領と首相を選出し、その上で,新首相が招集すべきだとか,大混乱となり,最高裁への提訴も行われた。

この最高裁提訴がどうなったのかは分からないが,結局,制憲議会は,憲法第69条(1)の規定通りレグミ議長が1月11日付けで招集し,初の本会議が1月22日午後3時に開会された。しかし,この初議会は17分後に閉会となり,実質的な審議は何もなかった。特に問題とされているのが,前回制憲議会を今回制憲議会が継承するかどうかを決めなかったこと。主要諸政党は1年以内の新憲法制定を公約しているが,ゼロからの再出発では,その公約を守るのは難しいのではないかと懸念されている。

この制憲議会開会に先立ち,1月20日,大統領の前で最長老のSB・タパ議員(RPP)が就任宣誓をし,翌21日には,タパ議員の下で他の565議員が就任宣誓を行った(内閣指名26,補欠選挙4,欠席5は未宣誓)。ここで興味深いのは,宣誓用語。ネパール語以外に,次の11言語が用いられた(Republica, 22-23 Jan)。

マイティリ13,ヒンディ11,アワディ5,ネワール3,マガール3,リンブー2,グルン2,タルー2,ボジプリ1,キラント/ライ1,マデシ1

一方,制憲議会のもう一つの在り方である立法議会の方は,ヤダブ大統領が1月19日付けで招集し,26日に初本会議が開かれた。しかし,制憲議会・立法議会は,内閣指名制26,2選挙区当選による欠員4がまだ未充足のため不完全である。このうちの内閣指名制は,建前としては,有識者選出や議席をえられなかった諸勢力の公平な代表のためだが,実際には,有力者間の取り引き材料となっており,不透明感がぬぐえない。

こうしたことから,制憲議会の全議員がそろうのは,まだもう少し先のことになりそうである。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/01/31 @ 21:18

カテゴリー: 選挙, 議会, 憲法

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