京都の米軍基地(44):コケにされコケた京丹後市
米軍への「お願いのお願い」を条件に基地受入を決めた京丹後市が,予想通りコケにされ,早くもコケた。
防衛省が基地工事開始を府・市に通告したのが26日昼,翌27日早朝にはもう工事が始まった(TBSニュース「米軍Xバンドレーダー配備、京都・京丹後で着工」)。工事概要の説明はなし。工事受注業者らも市民には不明。(注)
これはヒドイ。わがアパートでは,小さな修理工事や室内改装ですら,何週間も前に通知し工事概要が掲示される。米軍やその下働き防衛省には,その程度の最低限の市民的良識すらないのだ。
各紙報道によれば,27日午前6時半頃から基地用地(米軍専用施設区域)に大型ダンプやショベルカーなど10台以上が順次到着し,整地やフェンス設置工事が始められたそうだ。あれ,京丹後市はどう言っていたっけ? 「工事を行う際には,通勤時間帯・・・・は避け」(「広報きょうたんご」2014年6月)
米軍はむろんのこと防衛省にも,「お願い」や「お願いのお願い」を聞くつもりは毛頭ない。そんなものを真に受けると,虚仮にされ転けること必定。
むろん,優秀な官僚出身市長や市議会選良は,そんなことなど,十二分に承知している。すべて分かった上で,住民を虚仮にし,「国益」という名の「私益」を図ろうとしているのだ。
基地再編交付金は,今年度,5億3千万円(総額30億円程度)。分捕り合戦が始まり,さじ加減の醍醐味が,陣笠にまで,それなりに再配分されるだろう。
*毎日新聞5月24,26日;京都新聞5月26-27日;赤旗5月28日;読売新聞5月24日
(注)現在の工事業者は「ミライト・テクノロジーズ・アクティJV」。(株)ミライト・テクノロジーズは住友電工系で,本社は大阪。もう1社は,米軍関係事業を多く手がけている(株)アクティ(本社:岡山市)ではないかと思われる。地元企業の参加はまだ不明。(6月6日追加修正)
谷川昌幸(C)