ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

京都の米軍基地(47):関連事業・交付金の抗いがたい魅力

1.森本インター
経ヶ岬米軍基地へのアクセス・インターとなる鳥取豊岡宮津自動車道「森本インター」の工事が,着々と進んでいる。2016年完成予定で,この12月とされるXバンドレーダー搬入には間に合わないが,開通後は,このインターが米軍により頻繁に利用されることになるだろう。

「森本インター~経ヶ岬」は,丹後半島の奥地,小集落が散在するだけで,昼間でも人通りは少ない。ましてや日没後ともなると,森閑,人っ子1人見当たらないところも少なくない。米軍マル秘作戦には絶好の立地だが,地元住民にとっては,治外法権に近い米軍人・軍属の往来は薄気味悪く,不安は募るばかりだろう。

140621c ■事業箇所(「道路事業事前評価審査表」)

2.土建の魅力
この宮津自動車道のうち,いま工事中の野田川大宮道路は,全長4.3km,事業主体は京都府で工事期間は2005~2016年。わずか4.3kmだが,大きな橋とトンネルのため,総事業費160億円の大事業だ。といっても,事業の重要部分は,大林組,宮地エンジニアリングなど,地域外の大手・中堅企業が受注している。

しかし,それでも地元企業にも,幾分かは工事が回される。「森本インター」の場合は,下図のように,「マルキ・山崎組JV」。 「最高落札金額168,602,040円」と報道されているので,もしこれが両社JVの落札金額だとすると,全体の1%程度となる。わずかだが,うるおう。

土建を中心とする公共事業は,地方経済にとって魅力的であり,欠かせないものだ。

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 ■森本インター工事(2014-6-17)

3.米軍再配備交付金
米軍基地受入と直接関係するのが,「米軍再編交付金」。京丹後市には,今年度6億1300万円(前年度繰り越し分7900万円)が,交付される。10年間で30億円程度の見込み。福祉,防災,教育などに当てられるという。

府事業としては,「上野平バイパス」が19億円,「丹後町三宅~弥栄町久地」が9億5千万円。府の6月補正予算には,基地関連道路整備に1億5千万円が計上された。7割は防衛省負担という。

こうした直接的・間接的に米軍基地と絡む事業の拡大は,地元経済にとっては抗いがたい魅力だ。米軍基地受入派も,Xバンドレーダーが日本の安全に寄与し「国益」に叶うなどとは,本心では信じてはいまい。また,米軍は,たとえ「鬼畜米英」ではなくとも,やはり武器を持つ外国の軍隊であり,恐ろしいであろう。が,背に腹は代えられない。過疎地・丹後は,今日,食わなければならないのだ。

その今日食うための口実として,明日の「国益」ほど,便利で使い勝手のよいものはない。名誉と実益が,ともに手に入る。一挙両得。過疎地・丹後にとって,こんなよい話しはまたとはないのであろう。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/06/21 @ 11:30