ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

時が人をつくり,人が時をつくる

高知に行っていた。滞在先のホテルの周辺を散策していると,日本近代化に大きな足跡を残した人々の生誕地が多数あるのに気づいた。坂本龍馬,植木枝盛,馬場辰猪,板垣退助,後藤象二郎,片岡健吉の生家は,それぞれ徒歩数分から10分くらい。中江兆民はちょっと離れているが,それでも徒歩15分くらいにすぎない。山内家の城下町とはいえ,これは驚くべきことだ。

政治的な地位や名声だけなら激動期でありチャンスもあろうが,中江兆民や植木枝盛のような一流の思想家や理論家が,いわば隣近所の生まれというのは驚きだ。やはり幕末維新という時代と土佐という土地柄(周縁性)が,彼らのような優れた思想家・理論家を生み出したのだろう。

土佐の自由民権思想がどのように継承されたかは,専門外で詳らかではないが,しかし,たとえば戦後日本における新憲法受容の土壌のかなりの部分がそれにより培われていたことは間違いあるまい。時がつくった人が,時をつくるのだ。

140911
■生誕地:A=植木枝盛,B=坂本龍馬,C=馬場辰猪,D=板垣退助,E=中江兆民

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/09/11 @ 19:44