ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

小水力発電の可能性

ネパールでは,再生可能エコ発電の一つ,小水力発電が急増しているという。Sunir Pandy, “Taking power into their own hands,” Nepali Times, #725, 19-25 Sep.2014.
 ▼小規模水力発電所(出力5~100kw):2500事業所,総出力48MW,供給20万所帯
 ▼政府補助:25万5千ルピー/kw

141004a ■小水力発電(Nepali Times, #725)

ネパールでは,まだ「ネパール電力」(NEA)の送電線がない地域が少なくない。そうした地域では,住民自身が組合を作り,小水力発電所を建設,近隣の同様の小水力発電所とも送電線を結合し,自主的に地域の電化を進めてきた。

当初は照明用だけだったが,徐々に製粉,灌漑,パソコンなどのための電力としても利用し始めた。NEA送電線未整備のための窮余の策とはいえ,地域住民自身による再生可能エコ発電であり,最先端の地域電化事業といってよいであろう。

一方,NEAは大規模水力発電やインドからの買電により電力を確保し都市部を中心に供給しているが,それでも停電は常態化,乾期には1日18時間停電といった事態さえ起こっている。

しかし,それにもかかわらず,地方住民にはNEA電力利用への期待が強く,送電線が出来れば,NEA電力を使用するという。記事には理由が説明されていないが,やはり停電はあっても大電力の利用が可能となるからであろう。

日本では,太陽光などのエコ発電の新規受付を電力各社が停止した。ネパールでも,NEAが地域エコ発電との回路接合を,コストや技術的困難を理由に,拒否している。このままでは,せっかく急拡大してきたネパールの自給自足小水力発電システムも,頓挫しかねない。今後の成り行きが注目される。

141004b ■NEA Annual Report 2014

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/10/04 @ 15:23

カテゴリー: 経済, 自然

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