ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

京都の米軍基地(55):飛行禁止区域の設定

国土交通省が10月2日,経ヶ岬付近を「飛行制限区域」に指定し公告した。要するに,飛行禁止命令。これで丹後の空(日本国領空)は,事実上,米軍の思いのままとなる。
 ▼Xバンド・レーダーの運用に伴う飛行制限区域の設定について(国交省)
 
141006 ■飛行制限区域(国交省)

この空域やその周辺地域の安全管理について,京丹後市長など行政側は,ドクターヘリなど必要時にはレーダー波を停止させるなどと説明しているが,そんなバカなことを米軍が一般的な形で無条件に約束するはずがない。状況からして全く差し障りなければ停波もあろうが,軍事においては軍事最優先が常識だ。停波のお願いは出来ても,その「必要」の最終判断権は米軍側にあると観念すべきであろう。

米軍は,世界最強の誇り高き軍隊。その米軍からすれば,極東のド田舎の無知な原住民の要望など無視してよいどころか,無視すべき戯言にしかすぎない。必要な価値ある情報をもち賢いのは彼らであり,情報をもたず,したがってバカなのはわれら丹後原住民だからだ。

丹後の辺境原住民にけが人や病人が出ようが,みすぼらしい漁船が難破しようが,米国や重要都市部へのミサイル攻撃に比べたら,屁のようなものだ。

そもそも,レーダー停波権限は,いったい誰にあるのか? 経ヶ岬現地司令官に? まさか! そんな重大権限が現地下っ端軍人にあるはずがない。では,どこの誰に?

Xバンドレーダー基地は,治外法権のブラックボックスのようなもの。レーダーの出力も運用権限も,肝心要のことは,すべて秘密。だから,京丹後市長や市議会が何を言おうが,何を約束しようが,すべて確たる根拠はない。推測で言っているにすぎない。税金と時間の無駄だ。

その一方,米軍基地の見返りとして,いくばくかの補助金が出て,関連事業が増えることは確か。その利権をめぐって,早くも争奪合戦。京丹後市は,米軍基地依存経済に向かって転落しつつある。

【京丹後市議会 2014年9月定例会 Xバンドレーダー関連質疑】(クリック再生)
▼田中邦生議員(日本共産党)[9月12日]
 米軍基地問題について
 (1)昨年9月のXバンド・レーダー配備要請書に沿っての検証は
 (2)米軍車力通信所と立地条件が全く違うが、何を想定しどんな特別対策があるのか
 (3)京都府警による事件・事故対策の具体的説明会が必要である
 (4)レーダー搬入・経路と具体的日程などの内容は明らかにすべき
▼平林智江美議員(日本共産党)[9月12日]
 米軍基地問題について
 (1)市民の安心・安全の確保について
 (2)説明会の開催を
▼池田惠一議員(丹政会)[9月17日]
 Xバンド・レーダーの安心・安全は
 (1)レーダー配置に伴う安心・安全対策について

【参考】米軍レーダー、消防から直接停止要請 ドクターヘリ出動時
 ・・・・Xバンドレーダーについて、・・・・日本側が米軍に停波を要請する手続きやルートの素案が9日、分かった。消防かヘリ運航会社が防衛省や京都府を通さず、同[米軍経ケ岬]通信所に直接要請するという。
 ・・・・素案では、地元の消防かヘリ運航会社が同通信所に電話かファクスで停波を要請し、同通信所も電話かファクスで回答するとしている。
 ・・・・海難事故の捜索に伴う停波要請手続きは、防衛省が現在、米軍や国土交通省と協議している。(京都新聞2014-10-10)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/10/06 @ 19:40