ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

ネパリタイムズと中国日報

国内便が濃霧遅延,暇つぶしにTIA売店で「ネパリタイムズ」(#742,23-29Jan)を買ったら,なんと「中国日報」(23-29Jan)がおまけについていた。ネパリタイムズよりもページ数がはるかに多く,内容も濃い。どちらがおまけかわからない。以前からネパリタイムズと中国日報の間には関係があるのではと感じていたが,やはり何か特別の協力関係がありそうだ。

中国日報には興味深い記事が多い。2ページぶち抜きで「海のシルクロード」と「アジア・インフラ投資銀行」の長大記事。中国はこれらと「陸のシルクロード」を組み合わせた経済大戦略を打ち出しており,ネパールもその一環をなしている。

その一方,時評欄には,中国日報Cai Hong東京支局長が「日本,戦争の歴史を書き換え」という記事を書いている。

「安倍は,国際社会の声を同調させることはできていない。しかしながら,国内では大合唱の旗を振っている。安倍政権は教科書検定の基準を変え,著者と出版社に圧力をかけ,政府の考えを教科書に書き込ませた。」

このような厳しい日本批判が中国日報には,大きな見出しのもと,紙面上段に掲載されているのだ。

が,ここで注目すべきは,日本批判記事の内容そのものではなく,中国日報が「シルクロード経済圏」・「アジア・インフラ投資銀行」と,安倍政権批判を同時掲載し,しかもその新聞をネパールにおいてネパリタイムズとセットで売っているという事実である。

不思議なのは,素人目で見ても中国日報に経済的利益があるとは思えないこと。利益どころか,持ち出しではないだろうか? 空港だけでなく,田舎の村でも,中国日報は派手に売り出している。長期的観点からの販売戦略なのか,それとも別の狙いがあるのだろうか?

150130

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2015/02/01 @ 00:14