「かぐや姫の物語」,リアリティの欠如
「かぐや姫の物語」が早くもTV放映されたので,派手な宣伝にのせられ,観てみた。「公式サイト」によれば,この映画は――
日本最古の物語文学「竹取物語」に隠された人間・かぐや姫の真実の物語。
姫の犯した罪と罰。
製作期間8年、製作費50億円の娯楽超大作。
しかし,「姫の犯した罪と罰」をうたっているにもかかわらず,この映画は物語の構成が甘く,本物のフィクションの神髄たるリアリティも作品としての深みも感じられない。とくに物語の展開をナレーションや登場人物の語りで説明するのは興ざめ。
これは,先の「風立ちぬ」を観たときと同じような印象。日本のアニメは,全体的に,かつてのような想像力・構想力・創造力を失いつつあるのではないだろうか? もとより,これは趣味判断だから,他の見方や評価もありうることは言うまでもないが。
[参照]Sophia Pande,”The Tale of the Princess Kaguya,” Nepali Times,20-26 March 2015,#750
I have always loved Studio Ghibli’s productions, referring to them often in my reviews, especially when talking about animation that is not a product of this blessed dream factory. While Hayao Miyazaki,[…]did not direct The Tale of the Princess Kaguya (2013) which is co-written and directed by Isao Takahata, it is nevertheless one of the most charming and uplifting films to come out of the famed animation studio. […]
谷川昌幸(C)