震災救援の複雑な利害関係(7):中国とパキスタン
中国は,自国被災地チベットに大救援隊を送る一方,ネパールにもいち早く中国史上最大の外国救援隊を派遣した。インドや米国の動きをにらみながらであることは,各紙コメントにあるとおりである。概要は以下の通り。(重複や漏れがあるかもしれない。)
▼中国救援隊(Xinhua, 7 May)
・人民解放軍・武装警察隊:1,088人 救助犬:6匹
・空軍:IL-76 8機,MI-17ヘリ 3機
・医療救援隊展開:カトマンズ,シンドパルチョーク,ゴルカ,ダディン
・負傷者治療:2387人
中国救援隊は,地震発生の翌日にはカトマンズに入った。ネパール側の評価も高い。たとえば,ラナ国軍統幕長は,こう述べ感謝してる。「中国救援隊は,道路が切断された遠隔地にも行ってくれた。われわれが必要としていたすべてのものを供給してくれた。」(Ibid)
中国と関係の深いパキスタンも,いち早く支援に駆け付けた。ネパールにおけるパキスタンの動きは,特にインドに警戒されている。
・パキスタン軍:医療チーム50人,救援隊38人
・空軍:C-130 4機
・仮設住居30万人分(全必要数の4分の1)
・救援金:150万ドル (Telegraph Nepal, 5 May; Dawn, 4 May)
谷川昌幸(C)
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