戦争法案可決,ネパールでもトップ報道
戦争法案(安保関連法案)の衆院可決(7月16日)は,ネパールでも大きな話題になっている。安倍政権のへ理屈にもならない議論にうんざりし,はるばるネパールまで逃げてきたのに,友人知人は会うと開口一番「アベは何を考えているのだ?」と質問してくる。いわゆる「反知性」の権化たる安倍,ネパールで質問されても,論理的に説明できるわけがない。
[参照]自称「右翼軍国主義者」の「積極的平和主義」:安倍首相の国連演説
ネパールでは今,新憲法制定の山場。制憲議会で採択された憲法草案が発表され,国民から広く意見の聴取が行われている。
その新憲法の柱の一つが,「法の支配」。新憲法で「法の支配」が明確に規定され,幾重にも制度化されることになるに違いない。
ひるがえって日本。憲法の前文や第9条があるにもかかわらず,そしてまた憲法学者の大多数が違憲と言っているにもかかわらず,安倍首相は全く意に介さない。「戦争は平和である」とする安倍ニュースピークにおいては,「法の支配」は「法を支配」である。安倍政権の統治手法は,「法の支配(rule of law)」ではなく,いや最低限の「法による支配(rule by law)」ですらなく,「行政府による法支配」である。
世界最新・最高の新憲法の制定を目指すネパールにおいて,日本のこの憲法状況,政治状況の説明をすることは,恥ずかしくて到底できたものではない。セミナーでは,後ろの方にひっそり隠れて座ることにしよう。
▼ネパール復興Tシャツ(700ルピー)と憲法草案冊子(120ルピー)
谷川昌幸(C)
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