ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

憲法案,制憲議会議長へ提出

憲法起草委員会(CDC,シタウラ委員長)は8月21日,正式の憲法案を採択し制憲議会(CA)議長に提出した。ネバンCA議長は,この憲法案を8月23日のCA本会議に上程する予定。
 ・8月21日:シタウラCDC委員長,憲法案を採択し,ネバンCA議長に提出。
 ・8月23日:憲法案のCA本会議上程予定。
 ・以後3日間:議員による憲法案閲覧・検討。
 ・以後1週間以内:修正案の提出期間。
 ・⇒CAにおける逐条審議。修正案は2/3の多数により可決。
 ・⇒CA採決。

21日の正式憲法案のCA提出により,制憲議会は新憲法制定に向け大きく一歩前進した。しかも,提出された憲法案の修正には2/3の多数の賛成が必要なので,既定手続き通り進めば,成立までにそれほどの日数は必要ではない。次の制定期限は9月11日という声も出始めた。

が,しかし,そうすんなりとはいかないのがネパール。そもそも正式憲法案採択が,ドロドロ・ドタバタ劇。
 ・6月8日:NC,UML,UCPN,MJF-L「16項目合意」。8州連邦制。
 ・8月5ないし6日:上記4党,「6州案」合意。
 ・8月20日:上記4党,「6州案」のCDC採択合意。
 ・8月21日:NC,UML,UCPNのみの賛成でCDCが「7州連邦制」憲法案を採択し,CA議長に提出。

この間,新憲法の中核たる連邦制は,8州⇒6州⇒7州と,まるで猫の目,何がどうなっているのやら,見当もつかない。

▼CDC憲法案の7州区画(*4)
150823

▼4党8月6日合意の6州案(Kathmandupost FB, 9 Aug)
150816

ただ,最終段階におけるMJF-Lの離脱で,対立図式ははっきりしてきた。タライにおける州自治権を要求するマデシないしタルーと,これに反対し7州連邦制を強行しようとする3党連合の対立である。

MJF-Lは,議会では14議席しかもたないが,4党連合からの離脱により他のマデシ系諸派との連携が容易となったし,また,タライでの実力闘争によりカトマンズを兵糧攻めにすることも難しくはない。こうした状況を考え合わせるなら,9月11日の新憲法公布もまたまた空約束ということになりそうである。

[参照]
*1 “Panel hands over final draft to CA chairman,” Kathmandu Post,Aug 22, 2015
*2 “Sitaula submits final draft to CA Chair,” Himalayan,August 21, 2015
*3 “Statute by Sept 11 despite protests, claims Rawal,” Himalayan,August 21, 2015
*4 “Three parties ink 7-state agreement,” Ekantipur, Aug 22, 2015
*5 “MJF-L hints of consensus if parties agree on eight provinces,” Kathandu Post,Aug 22,2015
*6 “MJF-L severs ties with NC-UML-Maoist bloc,” Kathmandu Post,Aug 22, 2015

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2015/08/23 @ 19:12

カテゴリー: 憲法

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