ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

憲法案,制憲議会に上程

正式の憲法案が8月23日,制憲議会(CA)に上程された。26日からCAにおいて審議が始まる。

前回も述べたように,この憲法案は,NC,UML,UCPNの議会三大政党が,最終段階においてMJF-Lを切り捨て,憲法起草委員会に7州案を採用させ,強引にCAに提出させたもの。

当然,ギリギリの瀬戸際で裏切られたMJF-Lは激怒し,23日のCA本会議は他のマデシ系諸派とともにボイコットした。また,「ヒンドゥー国家」復帰を唱えるRPP-Nも,3党ごり押し憲法案の上程には議場で激しく抗議した。

議会三大政党は,新憲法は20-30日の審議で制定できると見ているが,マデシ/タルー系諸派はこれに激しく反発している。とくに,分断されることのない「タルー州」を要求しているタルー諸派は,タライ・バンダ(ゼネスト)を2週間前から続けており,なお継続強化の方針だ。また,サドバーバナ党は,4議員が抗議辞任し,他の2議員も続いて辞任することになっている。

このようにして,マデシ/タルー系諸勢力が,CAを見限り院外闘争で結集し,実力行使を激化させていくと,そしてそれを三大政党内のマデシ/タルー系の人々が陰に陽に支援し始めると,ネパールは,マオイスト紛争とは別の,いわば本物の民族紛争に陥る恐れがある。むろん,インドの出方によるところが大きいが。

▼巨体もてあます制憲議会
 150824

[参照]
*1 “Four SP members resign,” Himalayan, August 24, 2015
*2 “Statute Bill tabled amid opposition,” Kathmandupost,Aug 24, 2015
*3 “Politics in Tarai ‘volatile’ as charter nears finish,” Kathmandupost, Aug 24, 2015
*4 “THARUHAT PROTEST EXTENDED TILL SEPT 2 AS THEIR DEMAND FALLS ON DEAF EARS,” Republica, 24 Aug 2015

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2015/08/24 @ 19:22

カテゴリー: 憲法, 民族

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