ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

封鎖あたらめて否定,印大使

ライ駐ネ印大使が11月12日,「ネパールテレビ」インタビューにおいて,インドは自国内では封鎖をしていないと改めて断言し,通過障害はもっぱらネパール側の抗議活動の結果だ,と主張した。
 ▼”No blockade on Nepal-India border, supplies to resume soon, says envoy Ranjit Rae,” Nepal National, 13 Nov.

ライ大使の議論は極めて明快,さすが形式論理国の大使,インド側の言い分にも耳を傾ける必要がありそうだ。以下,インタビュー要旨。 

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タライの人々は,3か月にわたって抗議活動を続けてきたが,解決を見ず,そのため抗議方法が変化した。「反対派は主要印ネ道路のピケを始め,こうして,いわゆる封鎖が始まったのだ。」

「インド人がタライの抗議運動をあおっているという非難は,全くの的外れだ。タライの人々が,あちこちで抗議活動をしている。これは,彼らが彼らの考えで始めた国内の抗議活動であり,最善の解決策は,対話を通して彼らの要求にこたえていくことだと考えている。」

「憲法は基本的文書である。ネパール人民の期待も大きかった。ところが,ある社会の人々が制憲過程への十分な関与を認められていないと感じ,不安を募らせ,抗議を始めた。彼らの訴える諸問題を解決することこそが,平和と秩序への唯一の解決策であり,だからこそ,それらの諸問題は解決されるべきであり,解決されるであろうと,われわれは楽観している。」

「ネパールが憲法を持つことになれば,それは偉大な成果だと思う。取り残されたと感じている人々がすべて,その憲法の中に包摂されることを希望する。」

「この問題は本質的に政治的なものだから,政治的諸問題が解決され,反対派が抗議の形を変え,国境通過道路のピケをやめるなら,供給は正常化すると確信している。インド政府としては,他の国境通過道路による迂回輸送と他の供給基地からの石油輸送に全力をあげているが,対ネ交易の70%はビルガンジ経由であり,まさにいま,ここが封鎖されているのである。」

「ネ印関係改善の環境を作り出すための努力は惜しまないが,反印キャンペーンは拒否する。」ラクサウル・ビルガンジ国境付近の抗議活動が続く限り,供給は妨害され続けるだろう。
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以上が,ライ大使インタビュー要旨。大使によれば,インド側には何百台ものトラックがネパール入国を待っているという。事実とすれば,ネパール側での攻撃を恐れ待機しているとも考えられる。あるいは,カトマンズ諸勢力が,ナショナリズムによる国論統一とマデシ攻撃のため,インドの内政干渉を言い立て利用している可能性もある。

ネパール紛争は,利害関係が極めて複雑。理解には多角的アプローチが不可欠だ。

 151105a■在ネ印大使館HP

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2015/11/15 @ 23:48

カテゴリー: インド, ネパール, 経済, 外交, 憲法, 民族

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