ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

平静に見える市内、燃料不足でも

石油、ガスなど、燃料不足は深刻そうだ。昨日、ジャタの食堂でモモと紅茶をたのんだら、燃料が無いので出来ないといわれ、コーラとパンを勧められた。バス、とりわけ郊外路線では、前回紹介したように、車内に入りきれない乗客が大勢、屋根の上に乗っている。雨期でないのが、せめてもの救いだ。

しかし、そうした状況でも、人びとはいたって平静だ。少なくとも、外からは、そう見える。日本ならパニックになり社会不安、政治不安は避けられそうにないのに、ネパールではそうはならない。人びとには、まだ危機に対する伝統的な対処能力が残っているのだろう。

日本では、石油危機のとき、トイレットペーパーが無くなるというウワサで、都市住民がパニックになり、買い占めに走った。トイレットペーパーなんかなくても、どうということはないのに、近現代的な市民は、そうした柔軟な思考ができない。環境変化に極めて弱い。現代の専制や独裁は、そうしたパニック心理から生まれる。

イザとなれば、食うことくらい何とかなるさ、といった柔軟な思考が、いま求められている。ネパールから学ぶことは少なくない。

151121c■ラトナ公園・警察署前

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2015/11/21 @ 17:35