ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

石油・ガス販売,一部自由化

ネパール政府は,私企業の「マリカ石油」に石油販売認可を出した。12月31日付「リパブリカ」が報道した。

記事によれば,今回の石油販売認可募集には4社が応募,その中から「マリカ石油」が選ばれた。同社は,1年半後をめどに,石油販売を始めるという。

「マリカ石油」は,当面,チトワン,ビルタモド,ネパールガンジに石油備蓄タンクを設置し,インドの会社から石油を仕入れ,ネパール石油公社より安く販売する予定。ただし,価格は政府の定める価格帯内となる。

「マリカ石油」は,LPガス販売認可も申請しているが,こちらの認可はまだ降りていない。

今回の石油販売一部自由化は,インド「非公式経済封鎖」と無関係ではあるまい。封鎖下でも石油・ガス類は相当量はいってきており,公然の「ヤミ取引」で広く流通している。「ヤミ石油」。そんな不透明でバカ高い「ヤミ石油」を黙認するくらいなら,自由化し価格競争してもらう方がまし,ということか?

石油に限らず,統制経済は,弱者のためとはいえ,競争原理が働かないため,往々にして不合理となりがちだ。たとえば,これは安い方の例だが,バス料金。いまたしか15ルピーほど。学生はさらに割引がある。カトマンズなど,都市部はインフレで物価は高い。ガソリンも軽油も高い。それれに比べ,バス料金は異常に安い。どこかにしわ寄せがいっている,と見るのが自然だろう。

ネパールは,新憲法の下でも,依然として「社会主義」国家である。グローバル資本主義化の下で,新生ネパールがこれから先,社会主義の観点からどこまで経済活動を統制するか,難しい選択である。

 160101■ラトナ公園バス停

[参考]
日本の地方のバス路線は,すでに「社会主義化」されている。帰省や買い物で人出が多いはずの12月30日,村を通るバスに乗ったら,乗客は1人だけ。そして,驚くべきは,その低料金。150円で相当長距離乗れる。地域住民のために,採算度外視で運行されているのだ。[追加1月3日]3日も人出は多いはずなのに,何と,先客ゼロ。これで,料金は域内上限200円!

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/01/01 @ 19:24

カテゴリー: 経済

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