ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

クリスマスを国民祭日から削除:内務省

ネパール内務省は4月2日,公休となる国民祭日からクリスマスを削除する決定を下し,4日発表した。キリスト教徒の公務員は公休が取れるが,それ以外の人にとっては祭日ではなくなる。削除理由は,国民祭日が多すぎること。

ネパールの国民祭日は83あまり,うちクリスマスを含む公休日は35日くらいだから,たしかに多すぎる。またキリスト教徒は,2011年全国調査では1.5%にすぎない。

しかし,それはそうだとしても,クリスマスの国民祭日からの削除はキリスト教会にとっては一大事。「全国キリスト者連盟(FNC)」のガハトラジ事務局長は次のように述べている。

「政府決定は民主主義と世俗主義の基本規範を嘲笑し少数者宗教集団の感情を傷つけるものであり,私たちはこれを深く憂慮している。」(Himalayan, 3 Apr) 「私たちは,信仰と礼拝の自由を守るため,いつでも自らを犠牲にする覚悟ができている。先の決定を1週間以内に取り消し,祭日を元に戻すことを強く要求する。政府がこの要求にこたえないなら,全国で抗議活動を始める。」(Asia News It, 9 Apr; One News Now,10 Apr)

この抗議声明にどの程度の効果があるか,また抗議活動がどのようなものになるかは,まだ何とも言えない。が,いまネパールではキリスト教徒が激増し,これに伝統的ヒンドゥー教多数派が危機感を募らせていると言われている。政府は,そうしたことは今回の決定とは無関係と説明しているが,内外のキリスト教諸勢力はむろんそんな説明に納得したりはしない。彼らが,どのような抗議活動を展開するか?

ことは宗教,先行きは予断を許さない。

[参照]クリスマスと布教の自由問題
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谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/04/14 @ 19:09

カテゴリー: 宗教, 憲法, 人権

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