ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

京都の米軍基地(94):米語文化攻勢

京丹後駐留米軍が本格的な文化攻勢を始めた。軍楽隊ないし軍人・軍属バンドの音楽やキリスト教の祭礼に加え,いよいよ文化侵略の最強手段たる米語(イギリス語アメリカ方言)教育の登場だ。

京丹後の子供たちは,おやつを与えられ,米軍人・軍属から米語を習い始めた。「習う」とは,お手本をならい(倣い),お手本通りできるようになることだから,京丹後の子供たちは米軍人・軍属をお手本とし,彼らの言葉をまね,彼らのように考え,振舞うようになろうとし始めたわけだ。

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 ■お菓子付き米語学習(京丹後米軍FB4月12&14日,子供の顔と名前は引用者削除)

言葉は,それ自体がイデオロギーの塊といってもよい。米軍米語の場合,それは米国と米軍のイデオロギーだ。京丹後の子供たちは,それらを倣い,習うことになる。

といっても,最初からイデオロギー丸出し,ということはない。かっこよい戦闘機や勇ましい軍艦などが,もろ見えということはない。そんな下策は,戦略大国たる米国はつかわない。さりげなく軍楽隊が「星条旗よ永遠なれ」を演奏したり,テキストのところどころに,それとなく米軍関係のことが出てきたり,あるいは先生役の軍人・軍属が口頭でそうしたことに触れることになろう。

たとえば,子供たちが米語単語を習っているこの写真。「d」のところは,イヌの「dog」ではなく,「dolphin」つまりイルカだ。たまたまかもしれないし,テキストも日本製かもしれないが,いずれにせよイルカといえば,すぐ思い浮かぶのが,ケネディ駐日大使。熱心なイルカ人権主義者であり,「イルカが殺される追い込み漁の非人道性」を非難し,日本沿岸漁民に対しイルカ漁をやめよと高飛車に要求した。

もし私が米軍人・軍属なら,「dolphin」を教えるとき,自国の著名な超大物大使ケネディさんがいかにイルカを大切にしているかを紹介し,「日本の皆さんも,アメリカやヨーロッパの先進文明国の人たちと同じように,かわいくて知能の高いイルカをかわいがりましょうネ」と,やさしく諭してあげることになるだろう。(参照:イルカ漁非難,その反キリスト教的含意と政治的戦略性

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 ■米語でイルカ学習(京丹後米軍FB4月14日)/ケネディ大使ツイッター2014年1月18日

これは,ほんの一例。そもそも母語習得――人格形成――途上の子供たちに外国人が外国語を教えるのは,その外国の価値観を子供たちに刷り込み,文化的従属に馴れさせることに他ならない。しかもこの場合,教師=お手本は,米国軍人・軍属だ。こんなことが,真の日米友好に寄与するはずがない。

160421d■米陸軍軍楽隊演奏会(京丹後米軍FB4月12日)

[参照]
ケネディ大使,ジュゴン保護を!
京都の米軍基地(34):イルカ軍団,丹後半島近海来襲

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/04/22 @ 08:35