ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

ネパールの故岩村医師邸,強奪破壊(1)

故岩村昇医師のネパールの邸宅(クリスチャンの養子ご家族居住)が,襲撃され,強奪,破壊されたという。中橋祐貴「『岩村記念病院・健康大学』でクリスチャン後継者が迫害を受け命の危機にChristian Today(日本語版),2016年4月29日。
 ●岩村邸 破壊前⇒⇒破壊後(上記記事写真リンク) 

岩村昇医師は1962年,「日本キリスト教海外医療協力会」からネパールへ派遣され,1980年まで医療奉仕活動を続けられた。1993年,マグサイサイ賞受賞。2005年没。

Christian Todayの記事によれば,2016年3月1日午後4時半ころ,故岩村邸に,何の通告もなく,警官25~30人と自治体職員15人,そして暴徒約30人が突然やってきて,居住中の養子ご家族を追い出し,家財道具を外に運び出し,家・土地を取り上げた。その後,それらは売却され,更地にされてしまったという。

なぜ,こんな乱暴なことが? 記事によれば,「政府機関には毛沢東思想に感化された官僚が多くはびこり,暴力と金,人権を無視した不当や不正が『腐敗した慣習として日常化』していることも事実だ。今回も政府や行政,さらには警察が賄賂で秘密裏に暴徒を雇い,さらには地区のトップまでもがこの暴力事件に加担している」。「クリスチャンであることを憎む暴徒たちにより,今回の事件が起こった。・・・・この事件の背景は思想に感化された官僚たちとキリスト教弾圧主義者による不正から始まったことと思われる。」

しかし,それにしても不可解だ。人民戦争中なら,こうした事件は珍しくなかった。しかし,人民戦争はすでに十年ほど前に終わり,いまは平時,新憲法もできた。マオイストは与党だ。この状況で,このような大っぴらな無法行為が許されるのだろうか?

一つ考えられるのは,最近の逆コース。ヒンドゥー教国家復帰が叫ばれ,クリスマスは国民公休日指定を外された。しかも,体制派幹部は,コングレスも共産党諸党も高位カースト寡占。故岩村医師邸襲撃がキリスト教が理由なら,そうしたことが背景にあるのではないだろうか?

しかし,そう考えても,やはり不可解だ。かなりの大事件のはずなのに,他のメディアは,このようなことに敏感な欧米のキリスト教系をも含め,見た限りでは報道していない。また,もし警察や自治体職員が動員されたのなら,いくらなんでも,まったく何の通告もせず,一方的に現住土地建物を一方的に没収し売却するとは考えにくい。

記事通りなら,大事件。続報をまちたい。

160501b 160501a■岩村記念病院HPより

[参照](5月2日追加)
GORO KIMURA‏@AIUEOUM  14:11 – 2016年5月2日
大変に驚くと同時にいぶかしく思ったニュースでした。早速以下のサイトから直接問い合わせました。そのような事実は一切無いということです。 ・・・・

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/05/01 @ 20:52