ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

SSBを告発,CIAA(2)

2.CIAAによる告発
CIAAの9月25日発表によれば,SSBとその傘下のASDの不正・不法行為は,以下の通り。

[不正の概要](CIAA発表)
 ・SSBには,2002年設立以降,4億7千910万ルピーの収入があった。
 ・SSBとASDは,この5年間で,2億9千万ルピーを支出。
 ・この支出の多くは,SSB・ASD関係者への報酬,旅費,ホテル使用料,ピクニック経費,飲食代などに当てられた。
 ・「社会福祉委員会」は,SSBのこうした事業活動を適切に監査していない。
 ・ASDは無登録で,不法にNGO事業を実施。

CIAAは,これらの不正・不法行為につき,ラリトプル郡役所,社会福祉委員会等の関係当局に文書をもって通告し,調査を要請した。

以上が,メディアの伝えるCIAA発表の概要だが,それは,要するに,多額の支援金や寄付金を集めながら,それを本来の目的に使わず,お手盛り報酬や飲み食い,遊興に浪費してきた,という告発である。

ネパールにおいて,こうした告発は世間の受けが良い。途上国のネパールには,外国援助が大量に流れ込み,さまざまな事業が実施されているが,一般にアカウンタビリティや経済合理性に甘く,不正や腐敗がはびこってきた。ネパール庶民は,利権化した様々な援助事業を,日々,目の当たりにしているので,CIAAのような監査機関が大胆にそこに切り込めば,拍手喝采,頑張れ,ということになりがちなのである。

では,今回のCIAAによるSSB告発は,どうか? SSBやASDは,自己目的化した利権組織なのであろうか?

161008a■MCレグミ・レクチャー案内

1 “CIAA seeks action against Social Science Baha, Alliance for Social Dialogue,” The Himalayan Times, September 25, 2016
*2 “Social Science Baha claims CIAA misinterpreted facts,” Republica, October 1, 2016

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/10/08 @ 16:42

カテゴリー: 団体, 教育, 文化

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